94.5℃ カスタードクリーム低温調理 比較実験

BONIQマニアにおくる、低温調理の疑問あれこれの検証。

日々低温調理をしていると、食材がこんなに美味しくなるのか!という感動がある一方、本当にこれで良いのか?もっとベストな方法があるのではないか?という疑問も同時にわいてくる。
最近では低温調理のメソッドに関する情報が増えつつあるが、それが本当に正しいのか?
実際調理をする中で出てきた疑問を検証してみる。

「クレーム・パティシエール」いわゆる「カスタードクリーム」は、お菓子作りに欠かせないものである。
そして作ろうと思えば、手に入りやすい材料で簡単に作ることができる。
しかし、“ダマがなくツヤがありコシが切れてなめらかな、お店レベルのカスタード”を作るには温度やタイミングが重要であり、そこに行き着くまでには技術や経験が必要である。
シンプルであるがゆえ、実はとても難しい。

これを温度管理の得意な低温調理でできないか?と考えた。
しかしである。カスタードクリームは従来、鍋を火にかけた時点から卵が固まらないように気を付けながら、混ぜに混ぜなければならない。
低温調理はフリーザーバッグの中で行うので混ぜられない。これをどう克服するか?
卵液を次の設定温度と時間で行い、その違いを比較する。

BONIQ設定
①86℃ 15分  
②86℃ 30分
③90℃ 15分
④90℃ 30分
⑤94.5℃ 15分
⑥94.5℃ 30分

86℃・・・あるお店でカスタードを鍋で作る時「86℃になったら火から外す」、というのを聞いたことがあるから。
94.5℃・・・小麦のブレークダウン現象(※)が起こる温度
90℃・・・その中間の温度

という理由から以上の温度に設定した。

※カスタードクリームを作る際、卵液を加熱するとコシのあるクリームになってくる。それは小麦粉に含まれるデンプンが糊化するからである。そのまま加熱を続けて94.5℃に達すると、突然クリームのコシが切れて柔らかくなる。このデンプンのコシが切れる現象を“ブレークダウン”と言う。
ブレークダウンが起きていないカスタードクリームは冷めると固くなってしまい、滑らかなクリームに仕上がらないというものである。

BONIQ設定

86℃/90℃/94.5℃
15min/30min

材料


・卵黄  2個
・グラニュー糖  50g
・薄力粉  20g
・牛乳  200ml
・バニラペースト  小さじ1/4

《手順》

比較実験

ボールに卵黄、グラニュー糖を白くなるまで混ぜ合わせ、薄力粉を振るい入れて混ぜる。牛乳1/3を加えて混ぜ、残りの牛乳とバニラペーストをさらに加えて混ぜ合わせる。
卵液をフリーザーバッグに入れて真空密封し、それぞれの温度・時間で低温調理する。

①86℃ 15分  
②86℃ 30分
③90℃ 15分
④90℃ 30分
⑤94.5℃ 15分
⑥94.5℃ 30分

BONIQの設定時間終了タイマーが鳴ったらフリーザーバッグを取り出し、カスタードを目の細かいザル裏ごし器で濾し、ボールを氷水に当てて急冷する。
冷えたらゴムベラや泡だて器でなめらかになるまでよく混ぜる。

フリーザーバッグの真空密封方法:https://youtu.be/N-t1ox7mox0



比較実験結果

それぞれ、以下のような結果となった。

冷蔵庫で冷やして半日後に取り出してみると・・・

《まとめ》
「①86℃ 15分」「②86℃ 30分」「③90℃ 15分」は明らかに口に残るダマが出来てしまい、カスタードクリームとして成立していない。ダマが出来る原因として、卵液が混ざり切っていない時や加熱不足の時に起こると言われるが、おそらく①②③は加熱不足と思われる。

では残りの④⑤⑥を比較してみると
「⑤94.5℃ 15分」に圧倒的軍配。ダマはほぼなくツヤがありコシが切れて、トロっと口当たりがとてもなめらか。上品な味わいである。
「④90℃ 30分」と「⑥94.5℃ 30分」はとても似ており、見た目はややダマがあるように見えるが食べてみるとそれほど気にはならない程度である。そしてどちらとも重さがあり、⑥の方が④より重い。配合が同じにも関わらず、④は甘さが目立つように感じた。(①②③はさらに甘く感じる。)
冷蔵庫で半日冷やした後は、それぞれの特徴がより顕著になった。

口当たりのなめらかさ
⑤>④⑥>③>②>①  ※①②③はダマが多く、カスタードとして不可

味のバランス
⑤>⑥>④

総合
⑤>⑥>④
「⑤94.5℃ 15分」が断然クオリティが高い。
クリームに重さを求めるなら「④90℃ 30分」「⑥94.5℃ 30分」もアリだと思うが、口当たりのクリーミーさでは⑤には劣ると感じた。

《作った感想》
カスタードは通常、鍋をに火にかけて絶え間なく混ぜ続け、火から下すタイミングを見極めなくてはなりません。
低温調理は温度管理は得意ですが、なにせ混ぜることができません。
何度も試行錯誤し迷宮入りしそうになりましたが、今回の「BONIQ 94.5℃15分」で“ダマがなくツヤがありコシが切れてなめらかな、お店レベルのカスタード”までずいぶん近づけたのではないでしょうか。

質問・疑問・要望・作った感想をコメントいただけたら嬉しいです^^




【注意】食中毒に関しては、下記のサイトをご一読下さい。

特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75度1分以上】の加熱をしてください。

→ 食肉に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防

 

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KEIKO

KEIKO

大学卒業後にフレンチを学びにル・コルドン・ブルー・ロンドンへ留学。 その後、La Maison Courtineパリにて料理人をした後、フレンチの鉄人坂井がオーナーを務める大阪の名門フレンチ ラ・ロシェルにて従事。日本ソムリエ協会公認ソムリエ。お酒にマッチするBONIQレシピを提案させて頂きます。

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