・BONIQ設定
・材料
・手順
・比較実験結果
・作った感想
ほったらかしのBONIQの低温調理で、おいしいパスタ(スパゲッティ)料理を作れたら・・・
本来、スパゲッティを作るにはフライパンでソースを作り、その後鍋でスパゲッティをゆでる必要がある。少なくとも2つの工程が必要で、洗い物も出る。
そこで、ほったらかし調理、そして同時調理が可能なBONIQの低温調理を活用して、「スパゲッティの火入れ」と「スパゲッティソース作り」が同時にできないか?を実験してみる。
「味わいと食感にはこだわりつつ、ソースとスパゲッティを同時に完成させる」ことを目標とする。
ソースとスパゲッティを同時に調理し完成させる方法として、
方法1. ソースとスパゲッティを「1つの耐熱袋」に同封する。→低温調理
方法2. ソースとスパゲッティを「別々の耐熱袋」に分けて入れる。→低温調理
の2つが考えられた。これらの方法から期待できるのは、
方法1、工程が簡単。ソースがしっかりスパゲッティに絡むはず。
方法2、ソースやパスタの種類を変えて、色々なパスタ料理に応用できる。通常の“ソースを絡めるスパゲッティ”ではなく、“スープスパゲッティ”なら「1つの袋」にスープとスパゲッティを一緒に入れて調理できるかもしれないと期待し、今回のメニューを「ほうれん草としめじのスープパスタ」とした。スープを完成させれば、方法1、2どちらでも作成が可能なのではないかと予測し、レシピ作りを開始した。
前回はスープを比較検証したが(参照:「95℃ パスタ&ソースの同時調理 比較実験 Vo.1」)、今回はスパゲッティについて比較検証していく。
スープを作成して気づいたのは、スープの水分量に対して具材が多く、「方法1(スープとスパゲッティを同封)」ではスパゲッティが茹で上がらないと予測し、「方法2(スープとスパゲッティを別々)」でスパゲッティの低温調理の方法を検証することとする。
チェックポイントは、茹でる水量・塩の量・浸水の有無・茹で時間・食感(硬さ)・美味しさ。
スープが95℃ 10分で完成したのを踏まえ、スパゲッティも95℃ 10分前後で茹で上げる必要がある。
スパゲッティは種類が多くあり、太さや茹で時間も様々である。
まずは細めで茹で時間の短い1.4mm、茹で時間5分のスパゲッティを使い、茹で方を比較する。実験1~実験7は同時に行うのではなく、検証結果をもとに、次の実験を行った。
<1.4mm、茹で時間5分のスパゲッティを使用>
実験1. 水200ml / 300ml + 塩、浸水なしで、95℃ 5分低温調理
実験2. 水400ml + 塩2g、2時間浸水してから、95℃ 5分低温調理
実験3. 水400ml + 塩2g、30分浸水してから、95℃ 5分低温調理
実験4. 水400ml + 塩2g、浸水なし、95℃ 5分 / 8分 / 9分 / 10分低温調理
実験5. 水400ml + 塩2g、浸水なし、BONIQ設定してすぐ塩水のみ投入→95℃に達したらスパゲッティを投入、95℃ 5分 / 7分低温調理<1.6mm、茹で時間7分のスパゲッティを使用>
実験6. 水400ml + 塩2g、浸水なし、BONIQ設定してすぐ塩水のみ投入→95℃に達したらスパゲッティを投入、95℃ 10分低温調理実験7. スパゲッティの長さの違いで茹で上がりに違いがあるかを比較
前回の比較実験はこちら
低温調理でパスタ料理が作れたら・・・同時調理が可能な低温調理の魅力を活用して、味わいと食感にこだわりつつ、スープとスパゲッティを同時に完成させることを目標に比較実験を試みた。 自宅で&いつもの食材で、簡単手軽におうちレストラン!日本最大級 低温調理器「BONIQ(ボニーク)」の極上おいしい低温調理レシピサイト
BONIQ設定
<実験1~3>
95℃
0:05(5分)<実験4>
95℃
0:05(5分)、0:08(8分)、0:09(9分)、0:10(10分)<実験5>
95℃
0:05(5分)、0:07(7分)<実験6>
95℃
0:10(10分)材料
<実験1>
・スパゲッティ(1.4mm、茹で時間5分) 100g
・水(常温) 200ml、300ml
・塩 適量<実験2~5>
・スパゲッティ(1.4mm、茹で時間5分) 100g
・水(常温) 400ml
・塩 2g<実験6>
・スパゲッティ(1.6mm、茹で時間7分) 100g
・水(常温) 400ml
・塩 2g
《手順》
比較実験
スパゲッティ、水(常温)、塩を耐熱袋に入れて密封し、実験1、4は浸水なし、実験2、3は各時間で浸水後(低温調理前に、あらかじめスパゲッティを塩水に浸けておく)、それぞれ低温調理する。
実験5、6はBONIQを設定したら袋に入れた塩水(常温)を湯せんに入れる。BONIQが設定温度の95℃に達し、タイマーがスタートしたら袋の塩水(この時点で塩水も湯せん同様95℃に達している)を湯せんに入れたまま、袋にスパゲッティを入れて低温調理する。
BONIQの設定時間終了のタイマーが鳴ったら袋を取り出す。
その後、都度試食を行う。
実験1~実験7は同時に行うのではなく、検証結果をもとに、次の実験を行った。
実験1. 1.4mm、茹で時間5分のスパゲッティ
水200ml / 300ml + 塩、浸水なしで、95℃ 5分低温調理
※水の量を変えて2回行った。
常温から95℃の熱い塩水になるまで時間がかからないが、スパゲッティを茹でるには水量が少ない。塩の量が不明。
→水を400mlに増やし、塩の分量を2gとする。
実験2. 1.4mm、茹で時間5分のスパゲッティ
水400ml + 塩2g、2時間浸水してから、95℃ 5分低温調理
スパゲッティは水を吸っているので芯はないが、ふやけたようでやわらか過ぎる。美味しさは納得いかない結果に。
→浸水時間を30分に短くする。
実験3. 1.4mm、茹で時間5分のスパゲッティ
水400ml + 塩2g、30分浸水してから、95℃ 5分低温調理
ふやけてはいないが、ソフト麺のようなやわらかさ。美味しさは納得いかない結果に。
→浸水は必要ないのではないか。
実験4. 1.4mm、茹で時間5分のスパゲッティ
水400ml + 塩2g、浸水なし、95℃ 5分 / 8分 / 9分 / 10分低温調理
※設定時間を変えて4回行った。
5分(推奨茹で時間):スパゲッティが硬い。
8分:少し芯がある。
9分:芯はそれほど気にならないが、少し硬め。
10分:茹で上がってはいるが、やはり美味しさは納得できるものではない。
→塩水は常温からではなく、最初から95℃の熱い塩水にスパゲッティを入れ、低温調理したほうが良いのではないか。
実験5. 1.4mm、茹で時間5分のスパゲッティ
水400ml + 塩2g、浸水なし、BONIQ設定してすぐ塩水のみ投入→95℃に達したらスパゲッティを投入、95℃ 5分 / 7分低温調理
※設定時間を変えて2回行った。
推奨茹で時間の5分では硬いが、常温より95℃の熱い塩水にスパゲッティを入れて低温調理した方が断然美味しい。
7分だとスープに入れているうちにやわらかくなることも加味すると程良い硬さ。
スープの低温調理が10分なので、スープの調理開始3分後にスパゲッティを調理し始めると同時に完成する。
コンテナに冷たいスープの袋を入れると、コンテナ内の水温が下がる恐れがあるが、スープとスパゲッティの調理時間に差があることにより、スープ調理3分後にはスープの温度も上がり、塩水にスパゲッティを入れるときには水温の影響がないのではないか。
→以上の結果より、1.4mm、茹で時間5分のスパゲッティは、塩水を95℃に維持しながら7分低温調理すると程良い食感で美味しく茹で上がる。
スープの調理開始3分後にスパゲッティを茹で始めると、「方法2(スープとスパゲッティを別々)」でスープとスパゲッティが同時に完成する。
これで完成としても良いが、もし調理前の冷たいスープの袋をコンテナ入れた後、水温が極端に下がることなく、塩水の温度にあまり影響がないならば、スープとスパゲッティの調理に3分のタイムラグがない方が楽。ストップウォッチも不要になる。
塩水が95℃に到達してから、横に冷たいスープの袋を入れて調理を開始し、塩水の水温を測定したところ、スープを同時調理しても、塩水は94~95℃を保ち水温が下がらなかった。
これによりスープとスパゲッティを同時調理してもスパゲッティの茹でに影響はないことが判明し、スパゲッティの種類(太さや茹で時間)を変えれば、10分でスープとスパゲッティが同時調理し完成できるのではないかと考えた。
実験6. 1.6mm、茹で時間7分のスパゲッティ
水400ml + 塩2g、浸水なし、BONIQ設定してすぐ塩水のみ投入→95℃に達したらスパゲッティを投入、95℃ 10分低温調理
10分でスープと同時にスパゲッティの茹で上げが完成するよう、1.4mm、茹で時間5分のスパゲッティより太くて茹で時間の長い1.6mm、茹で時間7分のスパゲッティを候補とした。
1.4mmのスパゲッティと同様に茹でたところ、1.6mmのスパゲッティは端同士がくっついている部分があった。
茹でムラの原因になり、食感が変わってしまうため、低温調理の途中(5分程経過したところ)でスパゲッティを湯せんしたままほぐしてみたところ、程良い食感で美味しく茹で上がった。
→1.6mm、茹で時間7分のスパゲッティは、塩水を95℃に維持しながら低温調理の途中(5分程経過したところ)でほぐし、10分低温調理すると程良い食感で美味しく茹で上がり、「方法2(スープとスパゲッティを別々)」でスープとスパゲッティが同時に完成する。
スパゲッティの茹で方は、「実験6. 1.6mm、茹で時間7分のスパゲッティ、水400ml + 塩2g、浸水なし、BONIQ設定してすぐ塩水のみ投入→95℃に達したらスパゲッティを投入、95℃ 10分低温調理」でレシピ化する。
実験7. スパゲッティの長さの違いで仕上がりに違いがあるかを比較
コンテナで低温調理する場合はスパゲッティを長いまま入れられるが、湯せん鍋の形状によっては入らないため、半分に折ったスパゲッティでも同様に低温調理したところ、大差はなかった。
→スパゲッティの長さを調節することで、湯せん鍋の形状によらず、パスタ料理は低温調理可能である。
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比較実験結果
「ほうれん草としめじのスープパスタ(近日レシピ公開予定)」は、
スープ:「実験4. 牛乳100ml + 水100ml、チーズを2枚へ変更」の分量(参照:「95℃ パスタ&ソースの同時調理 比較実験 Vo.1」)、
スパゲッティ:「実験6. 1.6mm、茹で時間7分のスパゲッティ、水400ml + 塩2g、浸水なし、BONIQ設定してすぐ塩水のみ投入→95℃に達したらスパゲッティを投入、95℃ 10分低温調理」を採用し、
「方法2(スープとスパゲッティを別々)」により、95℃ 10分の低温調理で、スープとスパゲッティが同時に完成した。
結論、低温調理でパスタ料理を作ることができる!
本比較実験の集大成、「95℃ ほうれん草としめじのスープパスタ」低温調理調理レシピは、近日公開予定です。
お楽しみに!
《作った感想》
低温調理でパスタ料理が作れたら・・・という思いから、今回の比較実験に臨みました。スープとスパゲッティを同時に調理でき、同時に完成させることができるのは、低温調理の成せる技!
スープの比較実験では、1人分の食べきれるスープ量を優先して水分量を減らした結果、「方法1(スープとスパゲッティを同封)」での作り方を断念しましたが、1つの耐熱袋の中でパスタ料理を作ることができれば、旨みや栄養を逃すことなく簡単に調理できると考えます。今後、具材の内容や量を変えて検討してみたいと思います。
「方法2(スープとスパゲッティを別々)」では、スープとスパゲッティを別々の袋に入れて低温調理することにより、スパゲッティ単独での茹で方を比較実験することができました。あらかじめ浸水させたり、常温の水から茹で上げる方法とも比較し、95℃を維持しながら茹でることや低温調理の途中でスパゲッティをほぐすことにより、風味豊かでもっちりした美味しいスパゲッティに仕上がることを突き詰めることができました。
今回は、スープの調理時間に合わせ、1.4mm、茹で時間5分と1.6mm、茹で時間7分のスパゲッティを使っての低温調理比較になりましたが、95℃で、推奨の茹で時間より2~3分延長することで美味しく茹で上がったことから、今後は太さや長さ、茹で時間の異なるパスタを使って検証してみたいと思います。
またパスタスープやパスタソースのレシピ開発が進めば、「BONIQパスタ」の展開に繋がると考えます。
スープとスパゲッティを同時に調理しパスタ料理を完成させることができれば、時短簡単で効率的です。
低温調理ならば、湯せんするためのお鍋一つで洗い物が少なく、スープとスパゲッティが同時に作れるのも魅力的です。
低温調理で、美味しいパスタ料理をお楽しみください♪
質問・疑問・要望・作った感想をコメントいただけたら嬉しいです^^
【注意】
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細はこちらの【低温調理のルール 〜6つのポイント〜】を参照くださいませ。
また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
→ 食肉に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防
ワンパンパスタのように、スープの中にスパゲティを入れたらどうなるんでしょう!
試してみようかと思いました!
コメントありがとうございます。記事ご覧いただきまして大変嬉しいです^^
麺(パスタ)を熱々のお湯に入れて茹で上げるのが必須でして、水を設定温度まで熱くしてからパスタを入れ、途中で混ぜると美味しく茹で上がります。
別袋の具材は設定温度になってから湯せんに入れるため、入れたては冷たいです。
それに麺を入れても美味しく仕上がらないことになってしまいます。
具材を熱くしてから(完成させてから)パスタを投入する、というパターン、水分量がどうなるのか、具材とパスタの出来上がり具合はどうなるのかなど・・
比較実験は必要ですが、探ってみる価値はありますね!
未知なことが多い低温調理ですが、まさに実験のようで調理から楽しめますね^^
ぜひもし何か発見されることがありましたらお知らせいただければ幸いです!