・BONIQ設定
・材料
・一食あたりの栄養素
・比較実験
・比較実験結果
・作った感想
・BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス
・レシピ動画
BONIQマニアにおくる、低温調理の疑問あれこれの検証。
日々低温調理をしていると、さまざまな食材がこんなにも美味しくなる!という感動がある一方、本当にこれで良いのか?もっとベストな方法があるのではないか?という疑問も同時にわいてくる。
最近では低温調理のメソッドに関する情報が増えつつあるが、それが本当に正しいのか?
自分で実際調理をする中で出てきた疑問を検証してみる。美味しい昆布だしを取るにはどの方法がベストなのか?
“昆布の主要な旨み成分である“グルタミン酸”をいかに抽出し、雑味(苦味や昆布臭さ)をいかに抽出しないか”が美味しい昆布だしの鍵となるはずであるが、以下の方法で違いを比較してみる。実験1. 冷蔵庫で 12時間水出し
実験2. 冷蔵庫で 36時間水出し
実験3. 鍋で水に30分浸漬→沸騰直前で取り出す(従来法)
実験4. BONIQ 40℃で1時間
実験5. BONIQ 60℃で1時間
実験6. BONIQ 80℃で1時間6つの方法で昆布だしを取り、テイスティングは常温(約25℃)に冷ましてから行った。
BONIQ設定
実験4. 40℃ 1:00(1時間)
実験5. 60℃ 1:00(1時間)
実験6. 80℃ 1:00(1時間)
材料
<実験1〜6>
・水 500ml(東京の水道水を浄水器に通したものを使用)
※材料写真外
・昆布 10g(テイスティングで比較検証しやすいよう、旨みの強い日高昆布を使用)<ほか、調理器具など>
・容器(実験1~2用)
・鍋(実験3用)
当レシピの栄養素
栄養素(1人分) 1日の推奨摂取量 低糖質レベル ★★★(一食:糖質5g以下) カロリー 8 kcal - 糖質 1.8 g - タンパク質 0.2 g 体重 x 1.2g ~ 1.5 g 脂質 0 g - 食物繊維 0 g 20 g 以上 カリウム 280 mg 3500 mg 以上 カルシウム 6 mg 650 mg 以上 マグネシウム 8 mg 350 mg 以上 鉄分 0 mg 7.5 mg 以上 亜鉛 0 mg 10 mg 以上
《手順》

比較実験
以下の方法でそれぞれ昆布だしを取る。



<BONIQセット時>
※肉、魚(生食用を除く)は種類と厚みに応じて加熱設定を変更する。参照:「低温調理 加熱時間基準表」
※食材全体がきちんと湯せんに浸かるよう、十分な水量を用意する。
※高温・長時間調理時は蒸発による水位減少を防ぐため、最大水量を用意する。
<BONIQ投入時>
※袋内に気泡が残らないよう湯せんに入れながらしっかり空気を抜き、密封する。(参考:動画「低温調理用バッグの密封方法」、記事「ベストなバッグ密封の仕方 比較実験」)
※食材全体が湯せんに浸かるようにする。浮いてくる場合は、
・BONIQ 低温調理コンテナ:コンテナラック、トレーを使用して完全に沈める。
・鍋:耐熱性の瓶や重しを乗せて完全に沈める。
※高温・長時間調理時は、湯せんにカバーをして水位減少を防ぐ。
・BONIQ 低温調理コンテナ:コンテナルーフを使用する。
・鍋:ラップを使用する。
・BONIQ 低温調理用耐熱袋「BONI BAG」(湯せん、冷凍、冷蔵可能)はこちら
・BONIQ 低温調理コンテナ&コンテナアクセサリー(ラック、トレー、フタ、ジャケット)はこちら
・BONIQ 深型ホーロー鍋はこちら

比較実験結果
さてその結果は・・・

「実験1. 冷蔵庫で 12時間水出し」
旨みの抽出が弱い。雑味(苦味、昆布臭さ)がやや感じられる。
「実験2. 冷蔵庫で 36時間水出し」
旨みが強く抽出されたが、同時に雑味も強く抽出された。
「実験3. 鍋で水に30分浸漬→沸騰直前で取り出す」
これは従来のだしの取り方であるが、やや雑味が感じられるものの、旨みもしっかり出ている。馴染みの味わいで充分美味しい。
「実験4. BONIQ 40℃で1時間」
「実験5. BONIQ 60℃で1時間」
「実験6. BONIQ 80℃で1時間」
ではどれも雑味が少なくクリアな味わい。
40℃では旨みの抽出が足りない。
60℃と80℃はどちらもハイレベルの戦いであるが、60℃の方がより旨みが強く感じられる!
80℃はすっきりしていて上品な味わい。
実験1と2の水だしは旨みを抽出すると同時に雑味が出てしまうので、吸い物などではなく、濃い味の煮物などに使用すると便利で良いかもしれない。
実験3の従来法がおうちで取る美味しい出汁という印象に対し、BONIQを使った実験5と6は高級和食店で食べる上品な出汁という印象である。
旨みをしっかり抽出できて雑味が少なくクリアな味わいの「実験5. BONIQ 60℃で1時間」が秀逸であり、従来法とは違う昆布だしとして特におすすめである。
今回はこのような結果となったが、果たして低温調理60℃ で「1時間」がベストの方法だろうか?低温調理時間や浸漬の有無で味わいは変わるのか?を検証する。(参照:60℃ 昆布だし実験Vo.2 – 方法&時間比較)
《作った感想》
だしを取るのにBONIQで1時間も時間をかけていられない!と思うかもしれませんが、従来の鍋で取る方法でも水での浸漬時間を考えればさほど時間は変わらないように思います。
また、従来法だと沸騰直前に昆布を取り出すつもりが、ちょっと目を離したすきに沸騰させてしまった(昆布の臭みが出る)ということが起こりえますが、BONIQを使えば仕上がりをタイマーが知らせてくれるのでとても便利!
しっかり旨みのあるだしを使えば、料理自体の塩分量が抑えられ、素材の美味しさを生かすことができます。
これでまた一つ、BONIQの世界が広がりました。
BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス
200ml分の栄養価を計算しています。
昆布の旨味成分は「グルタミン酸」というアミノ酸によるものです。グルタミン酸は上品で控えめな旨味です。具の香りや素材の味わいを大切にする料理に向いています。
アミノ酸はタンパク質の構成要素であることから、グルタミン酸も摂取することにより体内で消化されタンパク質の合成に使われます。また、リラックス成分であるGABA(ギャバ)を作ったり、アンモニアを無毒化し、尿として排出することを助ける働きがあります。ただし、グルタミン酸は人間の体内でも生成できるアミノ酸の中の一つです。よって、グルタミン酸が足りずに体が不調をおこす、といったことはありません。
今回使用した昆布は「日高昆布」でしたが、利尻昆布・羅臼昆布・真昆布でも美味しい出汁を抽出することができます。
低温調理で出汁をひくなら、数種類の昆布を用意してそれぞれを水と一緒に耐熱袋へ入れ、同時に出汁を抽出することもできます。昆布によってそれぞれ風味に違いがあるので、お好みの昆布出汁を探すのも面白いですね。
<昆布だしの低温調理 比較実験シリーズ>
40℃~ 昆布だし実験Vo.1 – 方法&温度比較
60℃ 昆布だし実験Vo.2 – 方法&時間比較
60℃ 昆布だし実験Vo.3 – ランク・種類比較
<比較実験の結果を元に、究極のだしを使ったレシピ>
60℃ 食物繊維◎低温調理昆布だしで作る 湯豆腐
60℃ 究極の昆布だしで作る とろとろ温泉豆腐
60℃ 老化を予防◎鯛茶漬け 究極の利尻昆布だし
質問・疑問・要望・作った感想をコメントいただけたら嬉しいです^^
レシピ動画もご覧ください
【昆布だしの低温調理 実験Vo.1 - 取り方&温度比較】BONIQ設定 - 40℃,60℃,80℃ 1:00(1時間)
ASMR(NO MUSIC)
【注意】
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細はこちらの【低温調理のルール 〜6つのポイント〜】を参照くださいませ。
また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
→ 食肉に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防
最新記事 by 小野寺 桂子 (全て見る)
- 低温調理のルール 〜6つのポイント〜 - 2020年6月3日


煮干しの出汁の取り方も実験していただきたいです。
リクエストありがとうございます!ぜひ新規比較実験の参考にさせていただきますね!