・BONIQ設定
・材料
・一食あたりの栄養素
・比較実験
・まとめ
・作った感想
・BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス
・レシピ動画
BONIQマニアにおくる、低温調理の疑問あれこれの検証。
日々低温調理をしていると、肉や魚や野菜がこんなに美味しくやわらかくジューシーになる!という感動がある一方、本当にこれで良いのか?もっとベストな方法があるのではないか?という疑問も同時にわいてくる。
最近では低温調理のメソッドを記した情報が増えつつあるが、それが本当に正しいのか?
自分で実際調理をする中で出てきた疑問を検証してみる。肉や魚を低温調理する際、多くのレシピでは耐熱袋に食材と共に少量の油を入れることになっている。“袋の密閉性を高めるため”や“食材の保水のため”、“風味付けのため”などの理由が上げられるが、本当にその効果があるのか?を検証する。
一番何度も低温調理していてなじみのある食材、鶏むね肉を使用。
実験1. 鶏むね
実験2. 鶏むね+サラダ油
実験3. 鶏むね+ごま油を袋に入れて、BONIQ(60℃ 2時間5分)。
10分休ませて状態を落ち着けたらスライスし、その違いを検証してみる。
(油の有効性をみるためなので、塩など味はつけない。)“密閉性を高める”や“食材の保水”であれば実験2のサラダ油でも効果があるはずであるし、“風味付け”であれば実験3のごま油が有効なはずである。
BONIQ設定
60℃
2:05(2時間5分)※参照:低温調理 加熱時間基準表(鶏肉)
材料
当レシピの栄養素
栄養素(1人分) 1日の推奨摂取量 低糖質レベル ★★★(一食:糖質5g以下) カロリー 191 kcal - 糖質 0 g - タンパク質 19.5 g 体重 x 1.2g ~ 1.5 g 脂質 11.6 g - 食物繊維 0 g 20 g 以上 カリウム 300 mg 3500 mg 以上 カルシウム 4 mg 650 mg 以上 マグネシウム 23 mg 350 mg 以上 鉄分 0.3 mg 7.5 mg 以上 亜鉛 0.6 mg 10 mg 以上
《手順》
実験1. 鶏むねのみでBONIQ
鶏むねを耐熱袋に入れ空気を抜いて密封し、BONIQ(60℃ 2時間5分)で低温調理をする。
・BONIQ 低温調理用耐熱袋「BONI BAG」はこちら
・BONIQ 低温調理コンテナ&コンテナアクセサリー(ラック、トレー、フタ、ジャケット)はこちら
実験2. 鶏むね+サラダ油でBONIQ
鶏むねとサラダ油(大さじ1)を袋に入れ空気を抜いて密封し、BONIQ(60℃ 2時間5分)で低温調理をする。
実験3. 鶏むね+ごま油でBONIQ
鶏むねとごま油(大さじ1)を袋に入れ空気を抜いて密封し、BONIQ(60℃ 2時間5分)で低温調理をする。
《まとめ》
それぞれ、以下のような結果となった。
なんと!どれもさほど変わらない。
油が入ることで“密閉性を高める”や“食材の保水”効果があるのであれば、「実験2. 鶏むね+サラダ油」か「実験3. 鶏むね+ごま油」が「実験1. 鶏むねのみ」よりも火の通りが均一になり、しっとり仕上がるはずである。
しかし、3つとも違いがみられなかった。逆に実験1が若干しっとりしていたような気もするが、肉の個体差や切り方の差のレベルのように思う。
また、“風味付け”の効果を狙うなら「実験3. 鶏むね+ごま油」が風味が付いて美味しいはずである。
結果は、実験3はほんのりごま油の香りがして美味しいには美味しいが、風味を付けたいのであれば「60℃ 蒸し鶏:史上最強やわらか、ジューシー!」で紹介するように、上からごま油を使ったタレをかける方が有効である。
以上の結果から、「鶏むねを低温調理する時は、耐熱袋に油を一緒に入れなくても良い」という結果が出た。ただし、この結果は鶏むねのみを低温調理する場合であり、スパイスやハーブを加える場合にも当てはまるかはわからない。
スパイスやハーブなどは香りが油に溶ける脂溶性のものが多くあり、食材にその香りを付けたい場合、油を一緒に入れるのは有効かもしれない。
また、さらにいろいろな文献を調べていたところ、ほたてなど水分量が多くやわらかい食材には、同量の油を入れると食材が変形しない、という情報を発見した。
確かに以前に作成した「51℃ 肝機能向上◎炙りほたて タプナードと共に」では、使用したオリーブオイルが少量であったためか、手順5のほたての断面画像からわかるように、ややほたてが変形している。
これが本当なら、今まで形が保てずにあきらめた魚介系のレシピも復活できるかもしれない。
早速、新たな実験をしてみようと思う。
《作った感想》
低温調理をしていると、いろんな疑問がわいてきます。本当にこの温度が良いのか、この時間が良いのか、この方法は正しいのか、もっと美味しくなる方法があるのではないか?と。
今回の実験のように、一つ一つは微細なことかもしれませんが、そのような小さな工程が集まって最終的により美味しいものを作ることができればと日々思っています。
BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス
今回の実験結果では、ごま油を使用した鶏むねは味の面ではそれほどごま油の良さが出ていないとのことでした。
では、栄養面で考えてみるとどうでしょうか。
ごま油の脂肪酸の主成分は、オレイン酸とリノール酸です。
オレイン酸には血液中の悪玉コレステロールを減らす働きがあり、血管をきれいに保ってくれる脂肪酸です。
リノール酸は必須脂肪酸と呼ばれ、生命活動に必要なのに人間の体内では生成できない脂肪酸です。総コレステロール値を正常値に近づけ、心臓病の予防にもつながります。
また、ごま油にはごま特有の「ゴマリグナン」という抗酸化物質が含まれています。この抗酸化物質のおかげで、ごま油は酸化しにくく風味が良いまま保たれています。
抗酸化物質を摂取すると体内で細胞の酸化をくい止め、生活習慣病や老化を防止する役目をしてくれます。
このように、ごま油には強い抗酸化物質が含まれているので、鶏むね肉と一緒に低温調理する際にも鶏肉の脂の酸化を還元したり防止することも期待できると言えます。
質問・疑問・要望・作った感想をコメントいただけたら嬉しいです^^
レシピ動画もご覧ください
【60℃ 油は必要?鶏むね肉の低温調理 比較実験】
※訂正「BONIQ設定」:概要欄内の【BONIQ設定】をご確認ください。
ASMR(NO MUSIC)
※訂正「BONIQ設定」:概要欄内の【BONIQ設定】をご確認ください。
【注意】
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細はこちらの【低温調理のルール 〜6つのポイント〜】を参照くださいませ。
また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
→ 食肉に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防
最新記事 by 小野寺 桂子 (全て見る)
- 低温調理のルール 〜6つのポイント〜 - 2020年6月3日
いつも楽しく拝見しています。
お肉の厚みへの質問です。
厚さ2cmと記載されていますが
画像を見る限りそれ以上あるように
見えるのですがいかがでしょうか?
2cm以上ある場合は観音開きをして
厚さを2cmにすれば良いのでしょうか?
コメントありがとうございます!
そうですね、厚みに応じた加熱時間基準がございますので、2cm以上ある場合は、
1.下記基準表の厚みに沿って加熱時間を設定する
2.2cmの観音開きにしてレシピの加熱時間に設定する
のいずれかとなります!
https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf
いつもレシピ参考にしています、検証実験や動画たいへんありがたいです。
昨日低温調理した鶏ムネ肉8枚なんですが、パサついていて初めて失敗しました。 温度62度 時間 2時間15分
パサつく原因ありますでしょうか?ちなみにボニーク プロ使っています。朝1枚と昼1枚食べましたがどれもパサついた感じで
低温調理したものだと思えないかんじでした。
お問い合わせありがとうございます。
別レシピへのご返信と同様になってしまい恐れ入りますが、念のためこちらからもご返信させていただきます。ご確認くださいませ。
大変お手数ですが、一度サービスセンターにご連絡をいただけますでしょうか?夏季休業中のため、週明けの連絡になってしまいますがご了承くださいませ。
support@boniq.jp
コロナウイルス対策のため弊社ではテレワークに移行しております。 スタッフ不足を補うためメール対応の人員を増やして対応しております。
大変申し訳ございませんが、 電話でのお問い合わせではなくメールでのお問い合わせにご協力くださいませ。
昔、東京の有楽町の交通会館B1に「とりぽん」という店があった。そこの料理に「とりぽん酢」という名物料理があって、そこの味に近い感じがする。従業員が高齢の為に、店を閉めてしまったが、そこの味を我が家で再現してみたい。
以前から コンフィを作っており 下味に一昼夜、サラダ油ラードを混合したオイルにむね肉を鍋に入れて70℃で6時間保ち。結構手間をかけておりました。今ならzip rockの中にそのオイルを入れて楽に温度を保てそうと楽しみにしています。ただ高齢の両親の舌には、合わない味なのでご紹介のレシピで作って今日食べてもらう予定です。昨夜お湯から出した袋の中が、ピンク色の汁が出ており、カンピロバクターが心配です。一度焼き目を付けてから出すつもりですが、知人が鶏肉の扱い方のミスから家族全員食中毒をおこし、本人はがランバレー症候群まで発症して現在手足だけ麻痺が残りリハビリ中です。皆様にくれぐれも温度管理を厳守して作るよう喚起して頂けたらと思いコメント致しました。私としては、子供達が喜んでる姿を思い出しこれがあれば楽になると楽しくてしょうがないのです。
コメントありがとうございます!お子様からご高齢の方までやわらかく調理でき素材の味をそのまま、おいしくお楽しみいただけるのが低温調理ならではと思います^^
低温調理で作るコンフィはオイル少なめに調理できるのもポイントですね!
低温調理=危険、ではなく、従来の高温調理でも正しい知識がなければ危険になってしまいますね。
「低温調理 加熱時間基準表(https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf )」に従っていただければ、安心してお召し上がりいただくことができます。
低温調理の魅力とともに、ぜひ正しい知識を正しく、一緒に広めていけたらと思っております。また、いただいたコメント運用に活かしてまいりますね^^