豚肉レシピ

77℃ 豚の角煮:下茹で不要!味染みしみ!

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BONIQ設定
材料
手順
作る際のポイント
作った感想

煮詰めた調味料と共に12時間。仕上げに1時間。
豚角煮史上最も手間なし、その味に間違いなし。
お箸がすっと通り、味染みしみ。

BONIQ設定

77℃
12:00(12時間)

冷却

77℃
1:00(1時間)

材料


☆2〜3人分☆
<BONIQする材料>
・豚ばら肉(塊肉/ブロック)  500g
※国産を使用。詳細は《作る際のポイント》に。
・しょうが(スライス、または、皮)  5枚
・長ねぎの青い部分  1〜2本

《調味料》
・砂糖  大さじ1
・しょうゆ  大さじ3
・みりん  大さじ2
・酒  大さじ5

<仕上げ>
・からし(お好みで)  適量

<ほか、調理器具など>
・バット
・ヘラ
・氷 

《手順》

1. 低温調理器 BONIQをセットする

鍋やコンテナに水を入れ、本体を挿す。
77℃ 12:00(12時間)に設定する。

※肉、魚(生食用を除く)は種類と厚みに応じて加熱設定を変更する。参照:「低温調理 加熱時間基準表
※食材全体がきちんと湯せんに浸かるよう、十分な水量を用意する。
※高温・長時間調理時は蒸発による水位減少を防ぐため、最大水量を用意する。

BONIQ 深型ホーロー鍋はこちら
BONIQ 低温調理コンテナ&コンテナアクセサリー(ラック、トレー、フタ、ジャケット)はこちら

2. 豚ばらをカットする

豚ばらは4cm幅にカットする。

3. 豚ばらを焼く

フライパンを熱し、中火で豚ばらの表面、特に上面の脂身部分はしっかり焼く。
全面きつね色になったらバットに取り出し、粗熱を取る。

4. 調味料を煮詰める

小鍋に《調味料》の材料(砂糖、酒、みりん、しょうゆ)を全て入れ、煮詰める。
水分が8割ほど減り、ヘラで混ぜたときに鍋底が見える程とろとろの状態になったら火を止め、粗熱を取る。

5. 耐熱袋に投入する

耐熱袋に豚ばらと長ねぎの青い部分、しょうがを入れる。
煮詰めた調味料を全て(鍋に残らないようにヘラなどを使って)袋に加える。

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6. BONIQに投入する

設定温度に達したら袋を湯せんに入れ、低温調理をする。

※袋内に気泡が残らないよう湯せんに入れながらしっかり空気を抜き、密封する。(参考:動画「低温調理用バッグの密封方法」記事「ベストなバッグ密封の仕方 比較実験」
※食材全体が湯せんに浸かるようにする。浮いてくる場合は耐熱性の瓶や重しを乗せて完全に沈める。
※高温・長時間調理時は湯せんにカバーをする。(鍋:ラップ、コンテナ:フタ)

7. 冷却する

BONIQの設定時間終了タイマーが鳴ったら袋を取り出し、袋ごと氷水に浸ける。
豚ばらの脂が袋の中で白く固まるまで、完全に冷却する。

8. 脂を取り除く

袋を開け、固まった脂をスプーンやお玉などで取り除く。

9. 再度BONIQをセット〜投入する

再度77℃ 1:00(1時間)に設定する。
設定温度に達したら袋を湯せんに入れ、低温調理をする。

10. 仕上げ

BONIQの設定時間終了タイマーが鳴ったら袋を取り出す。
皿に豚ばらと煮汁を盛り、お好みでからしを添えて出来上がり。


《作る際のポイント》
材料の豚ばらとBONIQの設定時間について、本レシピでは“国産”の豚ばらを使用しています。
以前に行った「77℃ “下茹でなし”で豚の角煮 比較実験」では国産の豚ばらが77℃ 11時間で竹串がスッと通るくらいの柔らかさになったのに対し、“アメリカ産”のものは12時間半かかりました。
本レシピは国産のもので、以前の実験よりさらに柔らかくなるところまでを狙った12時間(+1時間)となっており、他の産地や種類の豚ばらでは仕上がりが異なる可能性もあります。
「夜にBONIQに投入して朝起きて取り出す」、あるいは「朝BONIQして帰宅して取り出す」→「仕上げ」というイメージです。

手順3、豚ばらをカットしてから焼くことで、余分な脂を落とし、後にBONIQで低温調理をする際に身が縮んだり旨みが流出するのを防ぎます。
豚ばらの塊肉のまま焼いてカットしたものや、事前に焼かなかったものは、低温調理をすると明らかに肉汁の流出が多く、身が縮んで目減りしてしまいます。ですのでここは最高の角煮を作る上では大事な工程です。

手順4、調味料はヘラで混ぜたときに鍋底が見えるくらいまでしっかり煮詰めます。低温調理をした時に豚ばらのドリップで煮汁が薄まるため、煮詰め過ぎかな、というくらいの濃い状態がちょうど良いでしょう。

手順8、豚ばらの部位は脂がかなり多いため、調理中に出た脂は取り除く必要があります。袋をしっかり冷却して脂を固めると、多くの脂が袋内にはりつき固まります。それで大半の脂が取り除けるでしょう。

手順9、再びBONIQにかけるのは「温め」と「さらにやわらかく」する目的があります。
30分程で温まるのでその時点で十分美味しく食べられますが、さらに長く湯せんにかけることで、お箸がすっと通る程やわらかく仕上がります。

《作った感想》
以前に完成させたレシピ「77℃ 極上!改訂版 豚ばらの角煮」は、鍋でコトコト2時間かけて豚ばらを下茹でし、最後の仕上げにBONIQで低温調理をすることで調味料を染み込ませるものでした。
この極上の仕上がりは自分でもかなりの自信作ではありますが、鍋で2時間も下茹でするという作業は欠かせませんでした。
そこに「せっかくBONIQを使っているのだから始めからBONIQだけで仕上げられないか」というユーザーさんのお声をいただきました。
鍋での下茹でをせず、設定時間や調味料を入れるタイミング、脂の取り除き方など研究を重ねました。
トロトロ加減や味の完成度ではまだ「77℃ 極上!改訂版 豚ばらの角煮」にはあと一歩!というのが正直なところです。それでも極力手間を省いた工程で、家庭で作る角煮としては十分なクオリティのところまで辿りついたのではないでしょうか。
これからもさらにブラッシュアップすべく研究は続けますが、現時点で最も手間がかからず、味わいも間違いないものだと思います。
ぜひ皆さまに確かめていただければ幸いです。

質問・疑問・要望・作った感想をコメントいただけたら嬉しいです^^

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【注意】
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細はこちらの【低温調理のルール 〜6つのポイント〜】を参照くださいませ。


また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
→ 食肉に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防

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小野寺 桂子
大学卒業後にフレンチを学びにル・コルドン・ブルー・ロンドンへ留学。 その後、La Maison Courtineパリにて料理人をした後、フレンチの鉄人坂井氏がプロデュースの大阪の名門フレンチ ラ・ロシェルにて従事。食育インストラクター・アスリートフードマイスター3級・日本ソムリエ協会公認ソムリエ。お酒にマッチするBONIQレシピを提案させていただきます。
小野寺 桂子

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コメント

    • ぴかり
    • 2023.06.30

    これまで作った角煮の中で一番美味しくできたと思います。
    家族にも大好評。もっとたくさん作って、作りおきにすることは可能でしょう?

    • BONIQ

      ご質問、また、嬉しいお言葉をありがとうございます!
      そのように言っていただけることがレシピ開発者として一番励みになります。

      もちろん作り置き可能です。倍量程度でしたら同じ耐熱袋に入りますし、袋を分けて複数作ることも可能です。
      保存の際は、(手順8)の袋を開けて固まった脂を取り除いた後に、冷蔵または冷凍保存し、食べる際は(手順9〜10)BONIQ77℃で1時間入れて仕上げていただくのが簡単かと思います。
      冷凍保存した場合も解凍なしで湯せんに入れていただいても問題ありません。

      是非ご活用ください。

    • metalslug3199@yahoo.co.jp
    • 2023.10.07

    様々な比較実験を経て完成したレシピ、大変参考になります。

    色んなレシピや比較実験を見たのですが、調味料を入れずに下ゆでするものが殆どでしたので、
    77℃ 12時間 → 冷却 → 77℃ 1時間 とせっかく二段階で加熱する工程であれば、
    最初は調味料を入れずに12時間、冷却後に脂を取り除き調味料を入れて1時間が良いのではないでしょうか?
    鶏胸肉やローストビーフでも後から塩を入れる方が柔らかくしっとりになるので、調味料は後入れの方が赤身部分が堅くなりにくいのではないでしょうか。

    鍋で下ゆでするレシピであれば大体90℃~95℃を2時間くらいなので、最初の加熱では77℃より高い温度で短時間にしても良いかもしれません。
    調味料を入れてから1時間煮ただけでは味染みが少ない可能性もあるので、その場合は再度冷却しても良さそうです。

    • BONIQ

      コメントありがとうございます!
      おっしゃるように実は元々、調味料を入れずに12時間低温調理し、調味料を入れて仕上げる方法を模索しておりました。
      いろいろな実験やレシピをご参考にしていただき、研究いただいていることと存じます。誠にありがとうございます。
      そこから同じ2段階構成でも少しでも手間を無くし、作る方の利便性を1番に追求したレシピとして仕上げたのが本レシピになります。
      ですので最初に豚バラを焼いた同じフライパンで調味料も煮詰め、直接フライパンから調味料も耐熱袋に一緒にいれて低温調理すれば洗い物も少なく、12時間でほぼ完成に近く、冷やして脂を取り除いておき、仕込みは完成します。1度冷却するのでどうしても2段階加熱にはなりますが、2回目の加熱は袋を湯煎に入れて温めるだけという構成にしました。
      おっしゃるように、確かに調味料と一緒に低温調理するよりも、最初に調味料なしで下茹での代わりに12時間行い、調味料を入れてさらに行うのほうが赤身部分が硬くなりにくいかもしれません。
      仕上がりをグレードアップした新たな角煮のバージョンとしてぜひ今後の開発の参考にさせてくださいませ。
      この度はご提案誠にありがとうございます。

        • -迅-
        • 2023.10.12

        コメント返信ありがとうございます。
        先日、調味料無し 77℃ 12時間 → 脂を取り除いて調味料入れ 77℃ 1時間で作ってみました。
        結論として、赤身部分の柔らかさは思ったほどではありませんでした。
        それでも箸で切れるほどなので柔らかいのは間違いないですが、調味料先入れと比較してそこまで優位な差はないのかな?と思います。(直接比較実験したわけじゃないのであくまで推測ですが)
        調味料先入れと比較して柔らかさ以外の点で良いところは、脂を取り除きやすいことと、脂に調味料が混じらないところが良いと感じました。

        焼いて脂を落とす → 77℃ 12時間 → 冷ましてから肉・肉汁・脂に分ける → 肉汁のみを鍋(フライパン)に入れて酒・みりんと一緒に加熱し、アルコールと一緒に臭みを飛ばす →
        しょうゆ・砂糖・水を入れて濃度調整 → 軽く煮汁を冷ましてから新しい袋に肉と煮汁を入れて 77℃ 1時間 → 再度冷まして味を浸透させる
        という行程で作りました。
        行程は増えましたが、適度に脂が落ちた全く臭みのない、赤身が過度に繊維状にならず柔らかい角煮が出来ました。

        77℃ 極上!改訂版 豚ばらの角煮レシピの鍋での下ゆでと違うところとして、
        ①真空にすることで加熱時に水圧が掛かること、②最初から77℃で加熱されることで肉に負担が掛かりやすいこと、③調味料を入れてからの加熱が長い点が挙げられるので、
        さらに上を目指すには、①初めは袋内に肉と一緒に水を入れること、②77℃に達する前から肉を入れること、③最初の加熱を12時間半、調味料を入れてからは30分加熱
        をすると良いのかなと思いました。また次回試してみます。

        • BONIQ

          興味深く読ませていただきました。大変詳しくありがとうございます。

          ②について、水から肉を湯せんに入れて低温調理するのと設定温度に達してから調理した場合の肉の柔らかさでは、測定器を使ったデータ上、僅差で水から入れた方が柔らかくなるという結果もあります。(野菜の場合は細胞の硬化が起こり、逆に硬くなります。)

          ただ、その差がわずかであったことと、食中毒菌を活性化させないために、BOINIQでは魚肉の調理は、設定温度に達してから湯せんに入れることにしております。10〜50℃付近は食中毒菌が活発になる温度帯であり、その温度帯に長く食材がさらされないためです。
          魚肉を水から低温調理すれば直ちに食中毒が起こるということはないはずですが、あらゆるリスクの可能性を排除するためにそのようにしております。

          ①③については、どのように仕上がりが変わるのか!?大変興味深く、お試しいただきましたら是非お知らせいただけましたら幸いです。誠にありがとうございます。
          どうぞ宜しくお願いいたします。

    • 大場 明
    • 2023.11.05

    4cmでは分厚くて食べづらくお弁当にも切らなければ入らないし味の染み具合も表面だけで食べながらタレに絡めないといけませんでしたので次回は切らずに4面焼いたらこの1枚目の美味しそうな写真のようにもっと幅を狭く切ってからやってみます。
    それでも圧力鍋や買って直ぐに使わなくなった無水鍋のバーミキュラみたいに失敗する事なく柔らかくて味付けが美味しいと家族の評価は高かったです。

    • BONIQ

      コメントありがとうございます^^
      失敗知らずで誰でも簡単にできるのが低温調理器の良いところの1つですね!ご家族みなさまにもお気に入りいただけて大変嬉しいです。
      冷めても硬くならないので、お弁当にも持ってこいですね!
      ぜひお好みでちょっとずつアレンジを加えて、リピートしてお楽しみいただけたら幸いです。

    • 能戸雅英
    • 2024.05.14

    焼くか焼かないか、焼くならいつか、なぜか。塩をふるタイミングはいつか、なぜか。どりつは使うか使わないか、なぜか等、知りたい疑問への回答が網羅されていて、納得感が高いと思いました。全体の構成、文章とも読みやすさに配慮されていると感じました。読んでよかったレシピです。

    • BONIQ

      嬉しいお言葉を誠にありがとうございます。
      従来の鍋で煮る方法では、調味料と肉を最初から一緒に煮てしまうと、柔らかくならず味も染み込まず、風味も飛んでしまいますので「下茹でをしてから調味料を入れる」が当然でした。
      ですのでこのレシピを開発するにあたって、袋に最初から肉と調味料を入れてしまえば永遠に柔らかくならないのでは?という疑問がありました。途中で調味料を投入する方法なども考えましたが、そうなると作り手の方の手間を一つ増やしてしまうことになり、「夜BONIQに投入して、朝取り出す」「朝BONIQに投入して、帰宅して取り出す」が不可能になってしまいます!
      そんなわけで本レシピの作り方に落ち着いた次第です。
      いただいたお言葉を励みにさらに、研究開発を続けてまいります。

BONIQ設定

  • 77℃
  • 12:00(12時間)
  • 冷却
  • 77℃
  • 1:00(1時間)

材料一覧

  • ☆2〜3人分☆
  • <BONIQする材料>
  • ・豚ばら肉(塊肉/ブロック)  500g
  • ※国産を使用。詳細は《作る際のポイント》に。
  • ・しょうが(スライス、または、皮)  5枚
  • ・長ねぎの青い部分  1〜2本
  • 《調味料》
  • ・砂糖  大さじ1
  • ・しょうゆ  大さじ3
  • ・みりん  大さじ2
  • ・酒  大さじ5
  • <仕上げ>
  • ・からし(お好みで)  適量
  • <ほか、調理器具など>
  • ・バット
  • ・ヘラ
  • ・氷

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