・BONIQ設定
・材料
・一食あたりの栄養素
・手順
・まとめ
・作った感想
・BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス
本レシピは「生食」となりますので、保存ができません。必ず「低温調理のルール 〜6つのポイント〜」をお守りいただき、すぐにお召し上がりください。
(生食=「低温調理 加熱時間基準表(魚)」を満たしていない、低温で加熱調理したもの。)
BONIQマニアにおくる、低温料理の疑問あれこれの検証。
日々低温調理をしていると、食材がこんなに美味しく柔らかくジューシーになる!という感動がある一方、本当にこれで良いのか?もっとベストな方法があるのではないか?という疑問も同時にわいてくる。
最近では低温調理のメソッドに関する情報が増えつつあるが、それが本当に正しいのか?
自分で実際調理をする中で出てきた疑問を検証してみる。前回の「フリーザーバッグに油は必要か ~鶏むね編~」の実験では、フリーザーバッグに鶏むねと一緒にごま油などの油を入れても入れなくても肉質には影響がないことが判明した。
しかし、低温調理について詳しく書かれた文献「A Practical Guide to Sous Vide Cooking」によると、ほたてなど柔らかく保水量が多い食材の場合、食材と同量の油を入れると食材が変形しないとある。果たしてそれが本当なのか、実証実験を行う。
① ほたてのみ
② ほたて+菜種油(ほたての重量と同量)
③ ほたて+エクストラバージンオリーブオイル(ほたての重量と同量)をBONIQ(51℃ 30分)。その違いを検証してみる。
(油の有効性をみるためなので、塩等味はつけない。)②の菜種油は香りが少なく、エクストラバージンオリーブオイルに比べて安価なので、仕上がりに違いが出ないのなら菜種油やサラダ油で代替できるのではないか?
BONIQ設定
材料
・ほたて(生食用)
・菜種油(キャノーラ油)
・エクストラバージン・オリーブオイル
当レシピの栄養素
栄養素(1人分) 1日の推奨摂取量 低糖質レベル ★★★(一食:糖質5g以下) カロリー 89 kcal - 糖質 0.9 g - タンパク質 8.1 g 体重 x 1.2g ~ 1.5 g 脂質 5.5 g - 食物繊維 0 g 20 g 以上 カリウム 186 mg 3500 mg 以上 カルシウム 13 mg 650 mg 以上 マグネシウム 35 mg 350 mg 以上 鉄分 1.3 mg 7.5 mg 以上 亜鉛 1.6 mg 10 mg 以上
《手順》
① ほたてのみ
ほたてをフリーザーバッグに入れ、BONIQ(51℃ 30分)で低温調理をする。
フリーザーバッグの密封方法:https://youtu.be/N-t1ox7mox0
② ほたて+菜種油
ほたてと同量の菜種油をフリーザーバッグに入れ、BONIQ(51℃ 30分)で低温調理をする。
③ ほたて+エクストラバージン・オリーブオイル
(以下EXオリーブオイルと表記)
ほたてと同量のEXオリーブオイルをフリーザーバッグに入れ、BONIQ(51℃ 30分)で低温調理をする。
《まとめ》
さてその結果は・・・
「②ほたて+菜種油」と「③ほたて+EXオリーブオイル」両方が僅差で「①ほたてのみ」よりしっとりしている。
①はフリーザーバッグの空気を抜いて密閉した時にバッグに押しつけられ、油による遊びのスペースが無いので、仕上がりがやや変形する(断面は問題ない)。
画像は生のほたてで実験を行ったものであり、①と②③の違いが僅差のため、画像ではわかりにくい。
そこで冷凍解凍ほたてで再度実験を行ったところ、その違いが顕著に出た。
また②③を比較すると、香りの少ない菜種油の②に比べ、③はほのかにEXオリーブオイル風味が付いているが、特に中まで風味が浸透しているというわけではない。
②の仕上げにEXオイルをかけて風味付けをすれば、③とほぼ同じ仕上がりになる。
また、
EXオリーブオイルを少量(ほたて4個に対してオイル大さじ1)のものと、③ほたてと同量のEXオリーブオイルのものを比べたところ、③の方が身がしっとりしていて変形も少なかった。
以上をまとめると、
・冷凍解凍のほたてを調理する場合、変形を防ぎ保水させるため、“ほたてと同量の”油をフリーザーバッグに入れるのが有効である。
(生のほたての場合も多少変形するが、許容範囲とも言える)
・フリーザーバッグに入れるオイルは菜種油など風味の少ない安価なものでもOK(仕上げに風味を足せば良い。ただし、EXオリーブオイルの方が残ったオイルを他の料理に転用しやすい)。
本レシピは「生食」となりますので、保存ができません。必ず「低温調理のルール ~6つのポイント~」をお守りいただき、すぐにお召し上がりください。
(生食=「低温調理 加熱時間基準表(魚)」を満たしていない、低温で加熱調理したもの。)
《作った感想》
今回のホタテ(帆立)の実験結果により、生なのか冷凍なのか、使う食材によって油を入れる必要があるかどうかが分かりました。
また、BONIQは上質な食材を美味しく仕上げるのはもちろんですが、調理の仕方によって冷凍の食材をグレードアップできる効果があるのだと感じました。
BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス
ホタテは味があっさりしており、あまり栄養価があるようには見えない食材なのですが、実は貧血気味の人におすすめしたい食材です。
悪性貧血予防に働くビタミンB12や葉酸、鉄分が多く含まれています。
ビタミンB12については、ホタテを25g食べるだけで1日に必要な量をカバーできるほど。
鉄分は赤身の肉やレバー、緑黄色野菜などの色が濃い食材に多く含まれているのですが、ホタテは100㎎あたり2.2㎎の鉄分を含んでいます。この数字は卵(全卵)と同じくらいの含有量です。
冷凍の刺身用のホタテや、既に貝柱だけになっているホタテを調理する際には心配ありませんが、生でホタテを購入した場合、貝を開けると「ウロ」と呼ばれる黒いホタテの中腸線が付いています。この部分だけは食べないようにしましょう。中腸線は海の中の有害物質をため込み濃縮する性質がある部位です。食中毒にもつながる可能性がある部位なので注意が必要です。
質問・疑問・要望・作った感想をコメントいただけたら嬉しいです^^
【注意】
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細はこちらの【低温調理のルール 〜6つのポイント〜】を参照くださいませ。
また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
→ 食肉に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防
最新記事 by 小野寺 桂子 (全て見る)
- 低温調理のルール 〜6つのポイント〜 - 2020年6月3日
教えていただきたいです。4枚目の写真が冷凍のものを使用したものでしょうか。どれが、生か冷凍かわかりませんでした。是非教えて下さい。
お問い合わせありがとうございます。
冷凍解凍のものを使用した際の写真は掲載しておりません、恐れ入りますがご確認くださいませ。