鶏肉レシピ

62℃ 鶏もも カットタイミング比較実験(前塩)

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BONIQ設定
材料
一食あたりの栄養素
比較実験
比較実験結果
作った感想
BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス

鶏もも肉の低温調理。
カットせずに1枚のまま低温調理をした場合と、カットしてから低温調理をした場合で、その仕上がりに違いはあるのか?

これまで「60℃~ 鶏もも肉の火入れ 温度時間比較実験」、「65℃ 鶏ももステーキ 皮の焼き方比較実験」と鶏ももの低温調理における比較実験を行っているが、今回はカットのタイミングによる仕上がりの違いを探る。
違いがあるのであれば、作る料理や調理時の都合に合わせて適切な方法を選択することができる。

そこで、以下の2パターンでそれぞれの仕上がりの違いを比べてみる。

実験1. カットしない1枚のまま鶏もも肉 + 塩
実験2. 一口大にカットした鶏もも肉 + 塩

をそれぞれ62℃ 1時間45分(低温調理 加熱時間基準表の「厚さ3cm鶏肉」に準じて)BONIQで低温調理する。
本実験の題名の「前塩」というのは、「低温調理後の耐熱袋に塩を入れて肉に塩味を含ませる方法=後塩」(参照:「60℃ 鶏胸肉 低温調理 塩タイミング比較実験」)に対し、塩と肉を一緒に耐熱袋に入れて低温調理する方法を「前塩」とした。
よって、本実験は「塩と肉を一緒に袋に入れて低温調理」の方法で行う。

やはりカットしてから低温調理した方が、ドリップが多く流出してしまうのだろうか?硬さなどの食感には違いはないだろうか?

BONIQ設定

62℃
1:45(1時間45分)

※参照:低温調理 加熱時間基準表(鶏肉)

材料


<実験1、2:BONIQする材料>
・鶏もも肉  2枚(厚み3cm、各280g)
・塩  2.8g(肉の重量の1%)

当レシピの栄養素

栄養素(1人分) 1日の推奨摂取量
低糖質レベル (一食:糖質5g以下)
カロリー 285.6 kcal -
糖質 0 g -
タンパク質 23.2 g 体重 x 1.2g ~ 1.5 g
脂質 19.9 g -
食物繊維 0 g 20 g 以上
カリウム 406 mg 3500 mg 以上
カルシウム 7 mg 650 mg 以上
マグネシウム 29 mg 350 mg 以上
鉄分 0.8 mg 7.5 mg 以上
亜鉛 2.2 mg 10 mg 以上

※上記はレシピの1/2量(140gあたり)の栄養価を計算しています。

《手順》


比較実験

実験1. カットしない1枚のまま鶏もも肉
実験2. 一口大にカットした鶏もも肉

をそれぞれ耐熱袋に入れ、それぞれ塩を加える。
(鶏ももは筋と余分な脂を切り落として使用する。)
BONIQ 62℃ 1:45(1時間45分)低温調理をする。

<BONIQセット時>
※肉、魚(生食用を除く)は種類と厚みに応じて加熱設定を変更する。参照:「低温調理 加熱時間基準表
※食材全体がきちんと湯せんに浸かるよう、十分な水量を用意する。
※高温・長時間調理時は蒸発による水位減少を防ぐため、最大水量を用意する。

<BONIQ投入時>
※袋内に気泡が残らないよう湯せんに入れながらしっかり空気を抜き、密封する。(参考:動画「低温調理用バッグの密封方法」記事「ベストなバッグ密封の仕方 比較実験」
※食材全体が湯せんに浸かるようにする。浮いてくる場合は、
BONIQ 低温調理コンテナ:コンテナラック、トレーを使用して完全に沈める。
:耐熱性の瓶や重しを乗せて完全に沈める。
※高温・長時間調理時は、湯せんにカバーをして水位減少を防ぐ。
BONIQ 低温調理コンテナ:コンテナルーフを使用する。
:ラップを使用する。

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比較実験結果





まずドリップの量を見てみると、「実験2. 一口大にカットした鶏もも肉 + 塩」の方が肉汁(ドリップ)の流出が多く、一目で分かる。

ドリップを計ってみると
「実験1. カットしない1枚のまま鶏もも肉 + 塩」:24gに対して、
「実験2. 一口大にカットした鶏もも肉 + 塩」:36g

と、「実験2」は「実験1」の1.5倍ドリップ量が多い。
この結果より、鶏ももをカットせず1枚のまま低温調理をした方が肉汁が流出せず、ジューシーさを維持できることが分かる。

比較試食してみると、「実験2. 一口大にカットした鶏もも肉+塩」の方がしっかり塩味がついており、断然味が染み込んでいる。
(実験1の鶏ももも一口大にカットし、実験2と同じ大きさで試食した。)
ここから分かるように、一概にドリップの流出が少ない「実験1」が良いというわけではなく、「実験2」は塩味が染み込んでいる分、均一に美味しい。

どちらも“低温調理ならではのやわらかジューシーな仕上がり”でその美味しさは間違いない。

「実験1. カットしない1枚のまま鶏もも肉 + 塩」の方は鶏もものステーキやソテーのように肉のジューシーさを味わう料理に向いている一方、「実験2. 一口大にカットした鶏もも肉 + 塩」は煮汁と共に食べる料理、例えばカレーやスープ、親子丼の下準備など味を染みさせたい料理や煮物などに適していると言える。

《作った感想》
実験前に予測をしていた通りの違いが見られました。
ジューシーさを保ちたいなら「実験1. カットしない1枚のまま鶏もも肉 + 塩」、「実験2. 一口大にカットした鶏もも肉 + 塩」はドリップが多く流出してしまうので、鶏もも肉のドリップを生かせる料理なら旨味を逃すことはありません。

調理時の都合はもちろん、料理に合わせてお選びください。
今回は「なるべく手間をかけずに、またBONIQ後すぐ食べる」ことを想定して比較実験を行いましたが、次回はぜひ「後塩(低温調理後に塩を肉に含ませること)」パターンでも検証してみようと思います。
(「60℃ 鶏胸肉 低温調理 塩タイミング比較実験」参照:「低温調理後、塩を耐熱袋に入れて含ませる」が一番やわらかくジューシーであるという結果になった。)

BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス

鶏もも肉(皮付き)は100g中にタンパク質16.6g、脂質14.2gを含みます。鶏むね肉は100g中にタンパク質21.3g、脂質5.9g含みますので、鶏むね肉と比較するとタンパク質が少なく、脂質は多い部位です。
鶏の皮は脂質を多く含むので、脂質が気になる方は皮を取り除けば、高タンパク質・低脂質な食材となります。

上記のように脂質の含有量が多く、ダイエット中には捨てられてしまうこともある鶏の皮。
食感が独特で好き嫌いが分かれる面もありますが、実は鶏の皮の栄養素には鶏肉に少量しか含まれていないものもあるのです。
例えばコラーゲン。コラーゲンは皮膚や軟骨などの体の組織を作るために必要なタンパク質の一種で、肌の弾力を保つためにも必要な栄養素です。

しかし、鶏皮は100gあたり500kcal以上とカロリーが高めの部位でもあります。
鶏の皮をパリッと焼き上げることで余分な脂分を抜くこともできるので、カロリーが気になる方はぜひこのレシピの通りに焼き上げてカロリーオフをしましょう。

コラーゲンはビタミンCと一緒に摂取すると、体内での合成が容易になります。コラーゲンを含む食材を摂取するときにはビタミンCが多いフルーツや野菜を一緒に摂取するように心がけましょう。

<鶏もも肉の低温調理 比較実験シリーズ>
60℃~ 鶏もも肉の火入れ 温度時間比較実験
65℃ 鶏ももステーキ 皮の焼き方比較実験
62℃ 鶏もも カットタイミング比較実験(前塩)

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【注意】
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細はこちらの【低温調理のルール 〜6つのポイント〜】を参照くださいませ。


また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
→ 食肉に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防

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井澤 綾華

井澤 綾華

北海道の田舎で2児を育てながらフリーランスで働く管理栄養士。食で地域を盛り上げることが大好き。健康的で簡単に作れるレシピの開発や、栄養価計算を行う。BONIQで作る料理は高齢の家族からも好評。
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BONIQ設定

材料一覧

  • <実験1、2:BONIQする材料>
  • ・鶏もも肉  2枚(厚み3cm、各280g)
  • ・塩  2.8g(肉の重量の1%)

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