比較実験結果を元にした、自家製カッテージチーズ。
カッテージチーズのイメージをくつがえす、クリームチーズのような滑らかさ。BONIQ設定
50℃
0:20(20分)→ 混ぜる → 0:20(20分)材料
☆カッテージチーズ 140~150g分☆
・牛乳 600ml
※UHT殺菌牛乳(いわゆる普通の牛乳)を使用。パックに「乳飲料」と書かれている商品は生乳以外がいろいろ混ざっていて固まらないので注意。・リンゴ酢 45ml
※他の酢でも代用可だが、やや風味が残る。レモン汁で行う場合は、リンゴ酢の場合よりも設定温度を低くする必要がある。レモン汁の方が酸度が高いため、硬い仕上がりになってしまうため。当レシピの栄養素
栄養素(1人分) 1日の推奨摂取量 低糖質レベル ★★★(一食:糖質5g以下) カロリー 157.5 kcal - 糖質 2.9 g - タンパク質 20 g 体重 x 1.2g ~ 1.5 g 脂質 6.8 g - 食物繊維 0 g 20 g 以上 カリウム 75 mg 3500 mg 以上 カルシウム 83 mg 650 mg 以上 マグネシウム 6 mg 350 mg 以上 鉄分 0.2 mg 7.5 mg 以上 亜鉛 0.8 mg 10 mg 以上 ※上記は150g分を一食分として栄養価計算しています。
《手順》
BONIQをセット
容器全体がきちんと湯せんに浸かるよう、十分な水量を用意する。
(容器いっぱいの高さまで水位がくるよう水量を調整する)
50℃ 0:20(20分)に設定する。
牛乳+リンゴ酢
ホーローのフタつき容器(金属製など熱伝導のよいもの)に牛乳を入れ、リンゴ酢を加えさっと混ぜて蓋をする。
BONIQに投入
BONIQが設定温度に達したら、容器を湯せんに入れ低温調理をする。
混ぜる
BONIQの終了タイマーが鳴ったら、湯せんに入れたまま容器のフタを開けて温度が均一になるよう混ぜ、再度フタをする。
「時間設定ボタン」を操作し、0:20(20分)追加する。
濾す
再度BONIQの終了タイマーが鳴ったら、④をクッキングペーパー(さらしやガーゼ)を敷いたザルに濾す。
1時間後、残った固形物のカッテージチーズを取り出して出来上がり。液体のホエー(清乳)は料理やお菓子、飲み物に使えるので捨てずに取っておく。
料理やお菓子からおつまみまで多岐にわたって活用できる、50℃カッテージチーズ。
カッテージチーズにエキストラバージン・オリーブオイル、フルール・ド・セル(フランスの海塩)、ブラックペッパー、ハーブを添えて
某三ツ星レストランのスペシャリテの一つからヒントを得て。美味しいオリーブオイルと美味しい塩が必須。
カッテージチーズと「しっとり爽やか さつまいものレモン煮」メイプルシロップがけ。子供が大好きなおやつ。
《作る際のポイント》
手順④、わざわざ混ぜるのはより早く温度を上げるためです。そのまま混ぜなくても設定時間を長くすればやがて温度は均一になるとは思いますが、混ぜない場合はさらに20分追加しても温度が均一にならなかったので混ぜた方が早く仕上がると考えました。
前回「カッテージチーズ リンゴ酢で温度比較実験」を行った時はもっと少ない量の牛乳で行ったため、混ぜなくても30分で温度が均一になりました。牛乳の量を増やす場合は、途中で混ぜることが必要になります。
手順⑤、濾す時はクッキングペーパーまたはさらしやガーゼを使用します。クッキングペーパー(リードペーパーなどに代表されるフェルトタイプのもの)はキッチンペーパー(表面がデコボコしたもの)とは違います。キッチンぺーパーを使うと上手く水切りできないので注意してください。
コーヒーフィルターなどを使って水切りすることもできますが、容量が限られるのと、クッキングペーパーやさらしよりも時間がかかります。
水切りは1時間、長くても1時間半までに留めておいた方がしっとりと仕上がります。もし水切りしすぎた、という場合にはボウルにカッテージチーズとホエーを少し戻して練れば、また滑らかに戻ります。少し生クリームを入れて練れば、コクが出てさらに美味しく。
リンゴ酢ではなくレモン汁で行う場合、市販レモン果汁(pH2)はリンゴ酢(pH3)よりも酸度が高いため、硬い仕上がりになってしまいます。その場合、リンゴ酢の時よりも設定温度を低くする必要があります。またフレッシュのレモン汁を使用する場合は個体によってpH値にバラつきがあるため、固まり方に差ができることがあります。
《作った感想》
前回「カッテージチーズ リンゴ酢で温度比較実験」を行い、50℃でクリームチーズのような食感の、滑らかで美味しいカッテージチーズが出来ました。
ですので今回は牛乳の量を増やし、リンゴ酢ではなくレモン汁にしても簡単にできるだろうと考えていました。
しかし、実際に行ってみるとBONIQにかけてもなかなか温度が均一にならず、仕上がりも理想ものではなくボソボソに!
温度については、途中で混ぜることで解決しました。ボソボソになってしまったことについてはいろいろ調べた結果、レモン汁とリンゴ酢のpHの違いからくるという結論に至りました。そのためレモン汁を使う場合は、温度設定を低くする必要があると思います。
カッテージチーズは合わない食材がないのではないかというくらい、料理からお菓子からおつまみまで多岐にわたって活用することができます。
また、残ったホエー(清乳)も栄養価が高いので決して捨てないでください。カフェオレに入れると酸味と複雑味が増しますし、同量の牛乳を入れてやや甘みを足しても。我が家ではパンケーキに入れたり酸辣湯にもなりました。あとは鶏肉や豚肉などのトマト煮込みも美味しいですよ。
BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス
本来のカッテージチーズは、牛乳から乳脂肪分を取り除いた脱脂乳に乳酸菌とレンネットを加えて発酵することで作られるチーズです。
今回、低温調理の技術を用いてリンゴ酢の酸で固めたチーズは、家庭でも簡単に作ることができる簡易バージョンと言えます。
カッテージチーズを作ると、分離して濾した白濁した液体(ホエー)が余ります。
このホエー、チーズを濾したものということから「栄養素もすっかり抜けてしまっているのではないか」と思われがちですが、そんなことはありません。
100g当たりカルシウムを47mg含んでおり、元の牛乳の約半分ほどがホエーの中に残っているということがわかります。また、むくみを解消する働きがあるカリウムも多く残っており、カロリーは24kcalと低カロリーです。
カッテージチーズにはなれなかった成分が残ったホエー、捨ててしまってはもったいない!残り物というよりも「副産物」として、料理の水分代わりに使ってみてください。
ただし、リンゴ酢を使って固めたということで若干酸味があるので、酸味が気にならないような料理に使うことをお勧めします。
<自家製チーズの低温調理 比較実験シリーズ>
40℃~ カッテージチーズ 温度比較実験
<比較実験の結果を元に、究極のチーズレシピ>
50℃ 高タンパク 低カロリー◎カッテージチーズ
40,50℃ 改訂版 カッテージチーズ レモン汁/酢
50℃ カッテージチーズのレアチーズケーキ
43℃ 低温調理で自家製無添加 クリームチーズ
43℃ 自家製クリームチーズ入り!いちごサンド
質問・疑問・要望・作った感想をコメントいただけたら嬉しいです^^
【注意】
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細はこちらの【低温調理のルール 〜6つのポイント〜】を参照くださいませ。
また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
→ 食肉に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防
最新記事 by 小野寺 桂子 (全て見る)
- 低温調理のルール 〜6つのポイント〜 - 2020年6月3日
いつも素敵レシピ拝見させていただいてます。
普通に買うと高いカッテージチーズがお家で手軽にしかもフラッシュな状態で食べられると思うと嬉しいです。
質問なのですが、1人分の栄養素はチーズ何gあたりのものなのでしょうか?
ダイエットでPFC計算をしているので教えていただけると嬉しいです。
お問い合わせありがとうございます!
自家製だと体にやさしい上に経済的、といいことづくしで嬉しいですね^^
こちらは150g分を一食分として栄養価計算しています。ご参考くださいませ。
カッテージチーズが自宅で作れるなんて素敵ですね!
「作り置き」のタグが付いておりますが、どのくらい日持ちしますか?
保存方法など注意することが有れば合わせて教えていただけると嬉しいです。
よろしくお願いします。
コメントありがとうございます!
家庭で作ったカッテージチーズの場合は3日〜1週間程で食べ切るのが目安(賞味期限内の牛乳を使うのが前提)となります。
密閉容器に入れて保存し、使う時に清潔なスプーンなどですくい、使ったらすぐ冷蔵庫にしまえば1週間は大丈夫でしょう。念のためカビが生えたり変な匂いがしたりしないか、少し食べてみて変な味がしないかチェックしてくださいね。
ありがとうございます!早速作ってみたいと思います!!
「40℃,50℃ 改訂版カッテージチーズ レモン汁/酢」を参考に、レモン汁バージョンで作ってみたのですが、カッテージチーズはできたのですが、ホエーが透明ではなくほぼ牛乳でした。
何が悪かったのでしょう。。。時間が足りないのでしょうか?レモン汁が足りなかったのでしょうか?
お問い合わせありがとうございます。
カッテージチーズが固まらない主要な理由は、
①「牛乳」でなく「乳飲料」を使っている
②温度が低い
③レモン汁が少ない
ですが、レシピ通りの温度・量で固まらないのはこれまで何度も作って1回もありませんので、おそらく①が原因ではないでしょうか。
乳飲料は牛乳と並んで売られているので間違いやすいですが、生乳ではなくいろいろと混ざっているので、固まらないのだと思います。
濾した時に出来るカッテージチーズは少量で、ホエーにその他の成分が混じって牛乳のように白くなるのではないでしょうか。
「牛乳」をお使いいただければ間違いなく固まるはずなのですが、再度ご確認くださいませ。
間違いなく牛乳を使っています。いくら何でも牛乳と乳飲料を間違えることはありません・・・・・・
温度か時間だと思ったのですが。原因が①~③の3つなら、温度を上げればいいということでしょうか。
度々お問い合わせありがとうございます。
大変失礼いたしました。
他に考えられる可能性としては、
①BONIQ機器の不具合(実際の温度が設定温度に達していない)
もしお手持ちの温度計がありましたら湯せんの温度を測っていただくか、カッテージチーズの設定「40℃」というのはお風呂くらいの温度ですので、手で触って極端にぬるい場合はもしかすると不具合の可能性がございますので、お手数ですが一度ご確認いただければと思います。
②レモン汁が、フレッシュの完熟レモンなどので酸度が低い(酸っぱくない)ものを使用した場合
市販のレモン汁はpH2.3あたりに統一されているようですので、それから大きく外れる場合、チーズが固まらない可能性が考えられます。
①②に当てはまらない場合は、「レモン汁を増やす」「設定温度を+5~10℃上げる」「設定時間を延ばす」のいずれか、もしくは全部で再度行って様子を見ていただけますでしょうか。
どうぞよろしくお願いいたします。
ありがとうございます。
牛乳を 600cc→500cc
温度を、50℃→55℃
次巻を、40分→60分
にして試してみたところできました!
フォローありがとうございました!
コメントありがとうございます!
よかったです!ぜひリピートして楽しんでいただけたら嬉しいです^^