比較実験

35℃~ ぶりの低温調理 火入れ温度比較実験

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BONIQ設定
材料
一食あたりの栄養素
比較実験
比較実験結果
作る際のポイント
作った感想
BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス

本レシピは「生食」となりますので、保存ができません。必ず「低温調理のルール 〜6つのポイント〜」をお守りいただき、すぐにお召し上がりください。
(生食=「低温調理 加熱時間基準表(魚)」を満たしていない、低温で加熱調理したもの。)

41℃~ ぶりの低温調理 火入れ温度比較実験」の続編。

刺身用ぶりの低温調理。
サーモンやほたてのように、ぶりも低温調理ならではの〝生のような火入れ〟で、口の中でほどけるような食感に仕上がる。

それでは、具体的に一体何度でどのような状態になるのか?
目安となる加熱チャートがあれば、今後理想の状態に仕上げやすくなる。また、さまざまなレシピやメニューに合わせて汎用できる。

そこで、前回「41℃~ ぶりの低温調理 火入れ温度比較実験」で以下の4パターンで検証を行い、仕上がりの違いを探った。

①41℃ 0:30(30分)
②44℃ 0:30(30分)
③47℃ 0:30(30分)
④50℃ 0:30(30分)

その結果、いずれにしても低温調理ならではの〝生のような火入れ〟を楽しむことができるが、「半生食感を求めるなら41℃」、「加熱したほろっとした食感を求めるなら47℃~50℃」で加熱すると良いことが分かった。

今回は「38℃~ サーモンの火入れ温度比較実験」のように、もっと低い温度ではどうなるのかを探る。

以下の2パターンでそれぞれの仕上がりの違いを比べてみる。

①35℃ 0:30(30分)
②38℃ 0:30(30分)

BONIQ設定

①35℃ 0:30(30分)
②38℃ 0:30(30分)

材料


<実験①、②>
・生食用ぶり(厚み2cm)  1冊
・オリーブオイル  小さじ1
・塩  ぶりの重量の0.8%

当レシピの栄養素

栄養素(1人分) 1日の推奨摂取量
低糖質レベル (一食:糖質5g 以下)
カロリー 284.6 kcal -
糖質 0.3 g -
タンパク質 21.4 g 体重 x 1.2g ~ 1.5 g
脂質 20.6 g -
食物繊維 0 g 20 g 以上
カリウム 380 mg 3500 mg 以上
カルシウム 5 mg 650 mg 以上
マグネシウム 26 mg 350 mg 以上
鉄分 1.3 mg 7.5 mg 以上
亜鉛 0.7 mg 10 mg 以上
塩分 0.8 g -

※上記はレシピの100gあたりの栄養価を計算しています。

《手順》


比較実験

フリーザーバッグにぶり、オリーブオイル、塩を入れる。
それぞれの温度、時間でBONIQで低温調理をする。
BONIQ終了タイマーが鳴ったらバッグを取り出し、氷水で急冷する。(余熱で火が入るのを防ぐため)
冷蔵庫に移し、実食の際にそれぞれをスライスして比較する。

フリーザーバッグの密封方法:https://youtu.be/N-t1ox7mox0





比較実験結果

①35℃ 0:30(30分)
ほぼ刺身。生魚の匂いは消えて食べやすくはある。

②38℃ 0:30(30分)
35℃よりもうっすら火は通っている感じはあるが、ほぼ刺身。こちらも生臭さは消えて食べやすい。

38℃以下での低温調理は食感や味共に大差がなくあまり魅力を感じる結果にはならなかった。

以下、過去の実験結果。

①41℃ 0:30(30分)
低温すぎて生と差は出ないのでは?と思ったが、火が通っていた。
しっとりとした半生食感で生ハムのよう!
カルパッチョや新食感の寿司にもなりそうだ。

②44℃ 0:30(30分)
魚の旨味を感じやすくジューシーな仕上がり。
①(41℃)と比較すると①の方が半生で食感が良い。

③47℃ 0:30(30分)
しっかり火が入っていてしっとりジューシー!なめらかにほどける食感。
ほろほろと崩れやすく、カットしにくい。

バーナーで炙り、フランス料理のようにソースを添えて食べると良さそうだ。

④50℃ 0:30(30分)
手で触り、少し力を入れるとホロホロ崩れる。
ほろほろと崩れやすく、カットしにくい。
しっとりやわらか、ツナのような食感。
ほぐしてサラダやそぼろにすると良さそうだ。


《作る際のポイント》
ぶりは必ず生食用を選ぶようにしましょう。

本レシピは「生食」となりますので、保存ができません。必ず「低温調理のルール 〜6つのポイント〜」をお守りいただき、すぐにお召し上がりください。
(生食=「低温調理 加熱時間基準表(魚)」を満たしていない、低温で加熱調理したもの。)

生食用でない場合の魚の低温調理については「低温調理 加熱時間基準表」を参照してください。

加熱後は速やかにバッグを氷水に浸けて芯まで冷却します。

《作った感想》
今回の実験では、38℃以下での低温調理は食感や味ともにそのままの状態の刺身と大差がなく、あまり魅力を感じる結果にはなりませんでした。
低温調理ならではのぶりの半生食感を楽しみたい場合は41℃、加熱したホロっとした食感を楽しみたい場合は47℃~50℃で加熱すると良いでしょう。
しかしこれは「50℃ ブライニングは有効?比較実験 サーモン編」のように塩をするタイミングによってまた結果が違ってくる可能性があり、引き続き研究を続けたいと思います。

BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス

ぶりは大型の魚であることから、部位によって含まれる栄養素に差があります。脂乗りの良い腹の部分の方がカロリーが高くなりますが、その他の栄養素も部位によって含まれる量が違います。

ぶりにはタウリンが多く含まれています。特に血合い部分に豊富なため、タウリンの働きを期待する場合は血合い部分の多い冊を選ぶと良いですよ。
タウリンはアミノ酸の一種で、旨味成分であるほかに疲労回復に役立ったり、肝機能を正常に保つためにも働きます。アルコールの分解やコレステロールの減少にも役立ちます。

また、ぶりは青魚の仲間なのでDHAやEPAが豊富です。DHAやEPAは主に魚油に含まれる脂肪酸なのですが、魚の中でもトップクラスの含有量です。DHAやEPAはぶりの腹、特に脂が良く乗っている部位に多く含まれます。
DHAは脳や神経に行き渡ることで情報伝達をスムーズにし、記憶力や認知能力の維持や向上に関わります。EPAは血管で血栓ができることを予防したり、血管をしなやかに保つため、動脈硬化や心筋梗塞などの生活習慣病の予防も期待されています。

DHAやEPAは脂肪酸であるため、油脂に溶けやすい性質を持ちます。調理する際はぶりから染み出た油も無駄なく食べられるように工夫すると良いです。

<生食用魚介の低温調理 比較実験シリーズ>
50℃ ブライニングは有効?比較実験 サーモン編
38℃~ サーモンの火入れ温度比較実験
36℃ 生 v.s. 低温調理サーモン 比較実験
45℃~ 生タコ(水タコ)の低温調理 比較実験
41℃~ ぶりの低温調理 火入れ温度比較実験
35℃~ ぶりの低温調理 火入れ温度比較実験
40℃~ たらこの低温調理 火入れ温度比較実験

<比較実験の結果を元に、究極の生食用魚介の低温調理レシピ>
36℃ サーモンの刺身
49℃ 血栓症予防◎炙りサーモン 白ワインソース
55℃ 生活習慣病予防◎柔らか タコのセビーチェ
65℃ 酸化を防いで老化防止◎タコのやわらか煮
45℃ 高たんぱく・低カロリー◎生タコの韓国風

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【注意】
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細はこちらの【低温調理のルール 〜6つのポイント〜】を参照くださいませ。


また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
→ 食肉に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防

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井澤 綾華

井澤 綾華

北海道の田舎で2児を育てながらフリーランスで働く管理栄養士。食で地域を盛り上げることが大好き。健康的で簡単に作れるレシピの開発や、栄養価計算を行う。BONIQで作る料理は高齢の家族からも好評。
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  • ①35℃ 0:30(30分)
  • ②38℃ 0:30(30分)

材料一覧

  • <実験①、②>
  • ・生食用ぶり(厚み2cm)  1冊
  • ・オリーブオイル  小さじ1
  • ・塩  ぶりの重量の0.8%

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