BONIQで低温調理する時、塩を入れるタイミングで牛もものローストビーフの仕上がりに違いが出るのか?
「鶏むね肉の低温調理 塩のタイミング比較実験」では「BONIQ調理後、フリーザーバッグに塩を入れて味を含ませる」方法が「BONIQ前に塩」「ブライニング」「BONIQ後、食べる直前に塩」よりも柔らかくジューシーに仕上がるという結果が出た。
上記の鶏むね肉の実験は「蒸し鶏」のスタイルであったので、塩が均一に入っていて“最も柔らいもの”をより美味しいと感じたが、例えば「鶏もものステーキ」の場合は柔らかすぎると“ぐにゃっとした食感”になり、実際には火は通っているが「生なんじゃないか?」と不安になる。
柔らかければ良いというわけではなく、素材によっては“脱水”した方が旨みが凝縮して美味しさを引き出せるものもある。
鶏ももについては現在研究中であるが、「牛もも」を使ったローストビーフの場合、果たしてどのような結果が出るのか?それぞれ以下のように塩を入れるタイミング別に、全てBONIQ設定58℃ 3時間40分で牛もも肉の調理を行った。
(1枚約250g、厚さ4cm。タスマニアビーフのももを使用。321円/100g)牛ももを・・・
① 塩をふり、1日冷蔵庫で寝かせてからBONIQ
② 塩で下味し、すぐBONIQ
③ BONIQ後、そのフリーザーバッグに塩を入れて味を1時間含ませるその後少量の油をひいたフライパンで表面を焼き、香ばしさをプラスする。(※1)
肉汁の流出を防ぐため10分寝かせる。(※2)
スライスしてそれぞれの違いを比較。上記の鶏むねの実験で、ブライニングの有効性があまり感じられなかったため今回はブライニング(※3)の方法は省く。
(※1)薄い肉の場合はBONIQ後に表面を焼くと中まで火が入ってしまうことがあるため先に焼いておくと良いが、このように厚みのある肉の場合は、後から焼いた方がよりフレッシュな香ばしさを加えることができる。
(※2)オーブンでローストする従来の方法では、焼き時間と同じだけ肉を休ませるというのが定説である。BONIQの場合、肉汁が流出するほど高温が続くわけではないので休ませるのは短時間で良い。
(※3)ブライニング:肉をジューシーに仕上げるために、5%程度の塩と砂糖を混ぜた溶液に漬ける技法。
BONIQ設定
58℃
3:40(3時間40分)材料
・牛もも肉 1枚(約250g、厚さ4cm)
・塩 2.5g(肉の重量の1%)
・ピュアオリーブオイル(焼く用) 小さじ1当レシピの栄養素
栄養素(1人分) 1日の推奨摂取量 低糖質レベル ★★★(一食:糖質5g以下) カロリー 121 kcal - 糖質 0.4 g - タンパク質 18 g 体重 x 1.2g ~ 1.5 g 脂質 4.7 g - 食物繊維 0 g 20 g 以上 カリウム 288 mg 3500 mg 以上 カルシウム 3 mg 650 mg 以上 マグネシウム 20 mg 350 mg 以上 鉄分 2.2 mg 7.5 mg 以上 亜鉛 3.5 mg 10 mg 以上
《手順》
① 塩をふり、1日冷蔵庫で寝かせてからBONIQ
牛もも肉に塩(2.5g)をふり、フリーザーバッグに入れて1日冷蔵庫で寝かせる。その後、フリーザーバッグの空気を抜いて密封しBONIQ(58℃ 3時間40分)で低温調理する。
終了タイマーが鳴ったらフリーザーバッグを取り出し、肉の表面の水分を軽くペーパーで拭いて、油を熱したフライパン(強火)で表面に焼き色をつけ、肉汁が落ち着くまで10分寝かせる。
フリーザーバッグの密封方法:https://youtu.be/N-t1ox7mox0
塩が染みこんでいるからか、外側が厚く茶色に変色している。
柔らかいには柔らかいが噛みごたえがあり、塩味が均一である。
② 塩で下味し、すぐBONIQ
牛もも肉と塩をフリーザーバッグに入れて密封し、BONIQ(58℃ 3時間40分)で低温調理する。
その後、油を熱したフライパン(強火)で表面に焼き色をつけ、肉汁が落ち着くまで10分寝かせる。
一番美しいピンク色。やや肉が繊維状に分断されている。
柔らかいには柔らかいが噛みごたえがあり、長く噛むほど塩味がなくなってくるので、やや肉々しさが顔を出す。
③ BONIQ後、そのフリーザーバッグに塩を入れて味を1時間含ませる
牛もも肉をフリーザーバッグに入れて密封し、BONIQ(58℃ 3時間40分)で低温調理する。
タイマーが鳴ったらフリーザーバッグを取り出し、塩を投入して1時間室温に置き、塩を含ませる。
その後、油を熱したフライパン(強火)で表面に焼き色をつけ、肉汁が落ち着くまで10分寝かせる。
美しいピンク色。滑らかな断面。最も柔らかい。
しっとりジューシーな仕上がり。塩味が十分染みこんでいて均一である。
《まとめ》
それぞれ、以下のような結果となった。
「③ BONIQ後、そのフリーザーバッグに塩を入れて味を1時間含ませる」
に圧倒的軍配!
まず柔らかさの点で他を圧倒している。そして均一な塩味の肉汁がじゅわーっと口の中に広がる。4cmと厚みのある肉であったが、BONIQ後に塩を入れて1時間で十分に塩味がしみ込んでいた。
「① 前日から塩をふり、1日冷蔵庫で寝かせてからBONIQ」
「② 塩で下味し、すぐBONIQ」
は好みが分かれるところ。
どちらも同じくらいの噛みごたえであるが、「③ BONIQ後、塩を含ませる」に柔らかさは劣る。
見た目は①より②の方が鮮やかなピンク色で、断面の肉汁がつやつやしておりジューシーなのが見るからにわかる。①は塩と長時間接していた部分が茶色く変色しているので、見た目で損をしているが味わいは十分美味しい。
両者とも噛みごたえがあるので長く噛んでいると、②はやがて塩味がなくなってくるのでやや肉々しさが出てくる。その点①は最後まで均一な塩味がある。
フリーザーバッグに残ったドリップについては②③の塩気が強く、①は塩気が弱くなっていた。
すなわち、①はより肉に塩味が入っており、②③は肉に塩が入っていないことになる。しかし、③は圧倒的に肉が柔らかく、咀嚼の回数が少なくて飲み込むため、塩気が十分で美味しいと感じる。②は噛みごたえがあり何度も咀嚼するため、途中から肉々しさが出てくるものと思われる。
以上の結果から・・・
オーブンで焼く従来の方法の場合、肉に塩を均一にしみ込ませるために塩をして1日寝かすのは有効かもしれないが、フリーザーバッグでの低温調理の場合、BONIQ後に塩を含ませる方法が肉汁の中で塩を浸透させられ、一番柔らかくジューシーに仕上がると結論づけられる。
《作った感想》
「鶏むね肉の低温調理 塩のタイミング比較実験」の結果はその差異が小さかったので、こちらから違いを探しに行ったくらいでした。
今回はBONIQの湯せんからフリーザーバッグを引き上げた時点で既に肉汁の色の違いが見え、切った瞬間から見た目が全然違う!口に入れた瞬間も全然違う!その違いは歴然でした。
「低温調理後、そのフリーザーバッグに塩を入れて味を含ませる」という方法がベストな仕上がりになるということを声を大にして言いたい!
間違いなく美味しいです。自信を持っておすすめします。
塩がどのように肉に作用してこの結果になるのか、化学的な見解が知りたいですが、今のところ調べれば調べる程迷宮入りしています。わかったらご報告したいと思います。
BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス
お肉をたくさん食べると胃もたれをする、という人には一緒に食べる食材を工夫すると胃もたれを軽減できます。
一般的に胃もたれの原因は、胃の機能の低下や、消化に時間がかかる食材によるものといわれています。
胃の機能が低下している場合、消化酵素が正常に出ていない分、分解酵素を多く含む食材を一緒に食べましょう。お肉を生の玉葱やパイナップル・キウイフルーツに付けると肉が柔らかくなる理由は、たんぱく質分解酵素を多く持つ食材だからです。生のフルーツや野菜と一緒に肉を食べることで、体内で肉の消化を促してくれますよ。
消化に時間をかけたくない場合、脂質の量が少ない食品を選ぶようにしましょう。脂質はタンパク質よりも消化に時間がかかる栄養素です。しかし、消化に時間がかかるということは、腹持ちが良いという点にもつながります。
お腹が空きやすい日中はある程度脂質を含む食事を、運動量が少なくなる夜は低脂質な食材を選べば、胃に負担をかけることなくダイエットにも効果的な食生活になります。
<牛肉・豚肉・鶏肉の低温調理 塩のタイミング比較実験シリーズ>
58℃ ローストビーフ低温調理 塩投入比較
60℃ 鶏胸肉 低温調理 塩タイミング比較実験
63℃ 豚ヒレの低温調理 塩タイミング比較実験
77℃ 塩豚vs.調理後塩含ませ豚 比較実験
<ローストビーフの低温調理 いつ焼くべきか?比較実験シリーズ>
牛ヒレローストビーフいつ焼くべきか?比較実験
牛ももローストビーフ いつ焼くべきか?比較実験
質問・疑問・要望・作った感想をコメントいただけたら嬉しいです^^
レシピ動画もご覧ください
【ローストビーフの低温調理 塩タイミング比較】BONIQ設定 - 58℃ 3:40(3時間40分)
※訂正「BONIQ設定」:(正)58℃ 3時間40分にてご設定ください。
ASMR(NO MUSIC)
※訂正「BONIQ設定」:(正)58℃ 3時間40分にてご設定ください。
【注意】
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細はこちらの【低温調理のルール 〜6つのポイント〜】を参照くださいませ。
また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
→ 食肉に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防
最新記事 by 小野寺 桂子 (全て見る)
- 低温調理のルール 〜6つのポイント〜 - 2020年6月3日
ローストビーフを3番目で作りました。美味しく出来ました。かたまり肉は、ロースが安く売ってたのでそれを使いましたが、もも肉の方がより良いのでしょうか?又、3時間後に取り出すと、肉汁が沢山出てました。
そのままで塩を投入しましたが、それで間違いなかったですか?
ロースとももでは、ロースの方が脂が多いのでももよりも柔らかく感じると思います。ただ、ももの方が沢山食べても胃もたれしませんし栄養価もももの方が高いです。
なのでももとロースは「お好み」という事で問題ございません。塩は、そのまま投入で問題ございません!是非、ももでも作って食べ比べしてみてください!
牛肉のヒレ肉の塊560gあります。何時間調理したらよいでしょうか?厚さは4.5センチ程あります。宜しくお願いいたします。
お問い合わせありがとうございます!
厚さ2cmに対して1時間が目安になりますので、2.5時間で様子を見てみてくださいませ^^
最後に塩を投入となっていますが、ただ入れてもむのですか?それとも表面に擦り付けるのですか?
ご質問ありがとうございます。ただ入れて揉みこんでください。ドリップに塩が溶けて浸透していくイメージでございます。よろしくお願いします。
他のローストビーフレシピやステーキレシピはだいたい1時間程度の調理時間ですがこちらは3時間なのはなぜでしょうか?温度ですか?
お問い合わせありがとうございます。
サイズによって直径が大きいほど、芯まで加熱される時間が長くなりますのでお肉の太さにより時間が決まっております。
肉温度計を購入いただければ、より正確な芯温の確認ができますのでおすすめいたします。千円程で手に入ります。
ローストポークも是非実験お願いいたします!
ありがとうございます!
鳥も牛も後塩の結果が良好でしたので、ポークもその様な形だと思いますが今後実験してみます!
コショウやローリエなど、他の調味料のタイミングはいつが効果的なのでしょうか?
ありがとうございます。
塩による分水作用で水分が肉より出てしまう為に、食感が変わると思います。
なので、他の調味料は加熱前で問題ないかと思います!
いつも大変参考になる記事と、質問等への丁寧なご対応をありがとうございます。
さて、また細かい事を気にしてしまい恐縮なのですが、
《③ BONIQ後、そのフリーザーバッグに塩を入れて味を1時間含ませる》
この方法で“塩を入れて味を含ませる”間は味や安全性を考慮すると
・常温
・冷蔵庫
どちらがベターでしょうか。
また、BONIQ説明書中にある保存方法を用いる場合、冷蔵冷凍ともに
・(焼き色を付けて)完全に完成した状態
・(焼かず)BONIQ後塩を入れた状態
・(塩を入れず)BONIQだけした状態
のいずれを選ぶべきでしょう。
塩云々はともかく、これは最終的に焼く等をして仕上げるタイプの他レシピでも気になる所です。
手元の書籍(家庭の低温調理、という訳書です)では
・低温ボイルだけして焼きはせずに保存→食する際に20~30分改めて低温で温めた後焼く
というパターンが多いのですが、日々低温調理を研究、研鑽されているBONIQ様の見解を伺いたく存じます。
ありがとうございます^^
一つ目のご質問に関して・・・
衛生面からみると肉の中心温度が常温帯5度〜50度付近で細菌が繁殖する温度帯です。
この中でも20〜40度付近はもっとも細菌繁殖に適した温度帯です。
https://www.shokukanken.com/column/foods/001530.html
食品衛生としては、上記温度帯を避ける為に冷却〜加熱をするのが主な考え方です。
ただ、細菌も瞬時に増えるわけではないので時間的猶予はあります。
ガイドブックにございます「低温調理後は90分以内に食べる」という記載はそういった理由です。
従いまして常温放置は衛生面から良くありませんが、60分後に焼いて食べる前提でしたら許容範囲かと思います。
味に関してですが、浸透圧と加熱により膨張した体積が冷却により収縮する事で味が入っていきます。
煮物は翌日の方が味が入って美味しいのと同じ原理です。
つまり、常温冷却よりも流水等で冷却する方が味が入りやすいと思われます。
(実験してないのでその差はわかりませんが・・・)
冷却時は一度流水で冷却してから冷蔵庫に入れないと、冷蔵庫内の温度が上がってしまいますので
量にもよりますがその点は留意してください。
>>
・常温
・冷蔵庫
どちらがベターでしょうか。
>>
こちらに関してまとめますと、冷却すると冷却>再加熱>焼くという手間が増えますが
味の入り方と衛生面は十分にケアできます。
手間を優先する場合は、常温で60分後に焼くだけの方が手間は少ないです。
衛生面も許容範囲かと思います。心配したら、放置の時間をさらに短くして調整してください。
例えば、30分でも十分に味が入るのか?まで検証してないので、何とも言えません。すいません。
2つ目のご質問に関して・・・
>
・低温ボイルだけして焼きはせずに保存→食する際に20~30分改めて低温で温めた後焼く
>
味・衛生面から見てもこちらが良いと思います。
・(焼かず)BONIQ後塩を入れた状態
こちらでしたら、袋から出さずにサッと塩を入れて味付けしながら保存ができて
食べる場合も、簡易的に再加熱して最後に焼くだけですので手間も衛生的なロスも少ないです。
貴重なご質問ありがとうございます。
今後も検証しながら低温調理を体系立てて行く役目を担えればと思っております。
よろしくお願い申し上げます。
お忙しい中大変お早い返事、そしてまたとても丁寧なご回答を恐れ入ります。
《一つ目の質問について》
そうですね、言われてみれば確かに“塩を入れた後の一時間”を冷えた状態で、と考えるならば先ずは家庭用冷蔵庫よりも氷水等で急冷しないと、却って半端な温度帯になってしまうことすら有り得ますよね。
そして、冷やしたならば焼く前に再度加熱が必要という理屈も理解出来ます。
ピンぼけした質問を失礼致しました。
となるとこちらのレシピに関しては、塩入れ60分は常温→完成したら即食べ切る、というのが味、安全性、そして手軽さにおいてベターという事ですね。
《二つ目の質問について他》
一つ目の質問へのご解説と合わせまして、このレシピで保存を考える場合はご回答通り“BONIQ後塩を入れた状態”を用いさせて頂こうと思います。
BONIQを用いれば私のような素人でも味と手軽さは比較的容易に両立出来るのですが、安全性に関してはやはり専門家様のご意見を伺えるのは大変有り難い所です。
BONIQ公式様は特に、美味しさを追及しつつも安全性への配慮は決して怠らず、また、安全性を確保しつつも美味しさも最大限追い求める、という姿勢がどのレシピからも見て取れ、本当にとてもとても参考にさせて頂いております。
改めまして、いつもありがとうございます。
一般家庭での低温調理、となるとやはり日本ではまだまだ確たる情報が手に入りづらい、或いは逆に不確かで無責任な情報が氾濫しているのが現状のように思います。
いつかBONIQ公式様が低温調理のハウツー本兼レシピ集のような書籍を出版して下さることを密かに、しかし切に願っております。
それでは長々と失礼致しました。
今回もどうもありがとうございました。
眼から鱗でした。
KEIKO 様の丁寧な実証記事には参考になるのはもちろんですが、色々な気付きがあります。
後塩、先塩を試して、結果は確かに書かれているのと同じ印象でした。
いつも記事を楽しみにしています。ありがとうございました。
ありがとうございます!ご参考いただけましてとても嬉しいです。
細かな違いですがその差は大きく、せっかくいただくならより美味しくいただきたいですよね^^
これからも様々な比較実験を展開予定ですので、ぜひぜひお楽しみくださいませ!
いつもboniqを愛用させて頂いております。
とコメント返信にありましたが、今回のレシピは4センチで3時間40分ですが、厚さ2cmに対して1時間という目安の他に、厚さと時間のバランスの考え方のようなものはあるのでしょうか?
BONIQのご愛用誠にありがとうございます。
厚みと時間に関しては下記にまとめておりますので、こちらに沿って加熱調理いただければと思います。
https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf
③の場合、肉汁そのままで塩を投入すると残った肉汁はかなり塩分が高くなりますのでソース作りに転用するのはやはり難しいのでしょうか?
お問い合わせありがとうございます!
味付けとしては、お肉の重さの0.7〜1%前後の塩を入れると良いです。
肉汁をソースに使う場合は、ワイン等も入れたりするのでそこまで塩分は強くならないと思います。
他の調味料の量で濃度を調節してみてくださいませ。
BONiCさんで出されている低温調理 加熱時間基準表を見ると
https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf
40mm57℃は4:15と書いてありました。
58℃だと3:40でしたので1℃ずれてる感じですかね?
コメントありがとうございます!
牛肉に関して、厚み4cm、57℃の場合は4:15(4時間15分)、同じ厚みで58℃の場合は3:40(3時間40分)でBONIQしていただければと思います^^
どこかに明記されていたらすみません。これらの調理の前、お肉は常温にしてあるという前提でしたでしょうか?
それとも、冷蔵庫から出してすぐ調理しているイメージで大丈夫でしょうか?
お問い合わせありがとうございます!
基本的に、衛生面の観点から「BONIQする直前に冷蔵庫から出す」としてくださいませ。
常温にする必要がある場合はそのようにレシピに明記しておりますので、ご参考いただければと存じます。
承知しました!ありがとうございます!
「調理後に塩」で安いお肉でもびっくりするくらいおいしくできました。
コメントありがとうございます!
「BONIQの低温調理×後塩」術は一生役立つメソッドですね!
おいしくお召し上がりいただけて大変嬉しいです^^
ローストビーフ、厚さ4センチ、250グラム、3時間40分とありますが、
厚さ4センチ、400グラムや500グラムでも3時間40分で大丈夫でしょうか。
ご質問ありがとうございます。
はい、360°から水の力を使って火入れをするBONIQの低温調理では、重量は関係なく、厚み(一番厚みがあるところ)に合わせた加熱設定になります。
「低温調理 加熱時間基準表(https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf )」に従って、食材の種類と厚みに応じて、加熱設定をご決定ください。
この他、低温調理のルールをまとめておりますので、下記ページもぜひご一読くださいませ。
低温調理 6つのポイント
https://boniq.jp/recipe/?p=19886
安全でおいしい低温調理を、存分にお楽しみいただけますように!
ローストビーフ
58℃ 厚み4センチ 250グラム 3時40分とありますが、このレシピは
58℃ 厚み4センチ 400グラムや500グラムでも3時40分でできますか?
ご質問ありがとうございます。
はい、360°から水の力を使って火入れをするBONIQの低温調理では、重量は関係なく、厚み(一番厚みがあるところ)に合わせた加熱設定になります。
「低温調理 加熱時間基準表(https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf )」に従って、食材の種類と厚みに応じて、加熱設定をご決定ください。
この他、低温調理のルールをまとめておりますので、下記ページもぜひご一読くださいませ。
低温調理 6つのポイント
https://boniq.jp/recipe/?p=19886
安全でおいしい低温調理を、存分にお楽しみいただけますように!
塩がどのように作用しているか、ですが
以前見たNHKのトリセツにて、低温調理においては肉のエキスが遊離している状態になる
というものを、映像付きで放映していました。
すなわち、低温調理によって細胞膜がところどころ壊れ、組織全体はスポンジのようなイメージになる
その組織内にエキスが遊離し、かつ保持された状態になっている。
そこへ塩を入れると、拡散作用と毛細管現象によって、一時間程度で隅々までいきわたるとかんがえられます。
別項のリソレが低温調理において有効であるのもこれが原因ではないでしょうか。
焼き固めた壁一枚で、エキスの流出を防いでいると思われます。
この度は大変有益な情報をありがとうございます。
大変興味深く読ませていただきました。
なるほど、低温調理した肉に後から塩を入れると、遊離したエキスを介し毛細管現象などによって塩が拡散されるのですね。それで速いスピードで塩が浸透する。
肉に塩を初めから一緒に入れて低温調理した場合は、浸透圧の関係で肉汁が流出し、さらに塩にはタンパク質を硬化させる作用がありますので、塩なしの場合と比較すれば肉がやや硬くなるということでしょう。
従来のフライパンやオーブンで作るローストビーフやステーキですと外側を焼き固める「リソレ」をするのが当たり前ですが、低温調理の場合はしなくても調理できるので、しない場合は、した場合よりも肉汁が流出するということですね。
ただ、「牛ももローストビーフ いつ焼くべきか?比較実験」https://boniq.jp/recipe/?post_type=recipe&p=25173
ではヒレなどに比べ硬い肉質の牛ももを使っていますので、リソレしない方が柔らかく仕上がるという結果になりました。(した方が香ばしく仕上がるので、何を取るかですが。)
それで「57℃ 基本の低温調理ローストビーフ もも&後塩」https://boniq.jp/recipe/?post_type=recipe&p=35659
ではリソレはせず、流出した肉汁を肉に戻してやるべく全量ソースに使っています。
この度は誠にありがとうございます。
いただいた情報を元に今後もさらなる研究をすすめてまいります。
塩の作用について、個人的見解を述べさせていただきます。
まず、肉の微細構造についてですが、1:「細胞膜に包まれた小さな水風船の寄り集まり」が生肉の状態。
これが、加熱が進むことで水風船が割れていき2:「海綿状組織に毛細管現象によってエキスが保持されている」状態になります。
1のときは細胞膜があまり壊れていないので、塩を振ってもしみこむのに時間がかかりますが、2の状態だと水分の移動が1より自由なので、溶質の拡散効果によって深部まで塩がいきわたります。
さて、塩のもう一つの作用ですが、タンパク質の凝固があります。ひき肉料理の第一次結着に塩を入れるのはこのためですね。
事前に塩をした二つは、このたんぱく質凝固がリソレのような役目を果たしたと思われます。
塩をして寝かせた時間での仕上がりの違いも、「塩が浸透して変質したたんぱく質の層の厚さの違い」と解釈すると解題できるように思います。
雑感ではありますが、検証の一助になればとおもい寄稿させていただきます。
スミマセン、前の投稿の下書きが猫パンチで投稿されました。内容ダダ被りで申し訳ありません。
コメントありがとうございます。
内容、承知いたしました。とんでもないです、お気になさらないでくださいませ。
猫ちゃんにも鶏肉や牛肉、レバーなどBONIQでしっかり火を通した自然でおいしい食材を食べさせてあげることも可能です。実際の内容や量はかかりつけの獣医師さんとご相談いただければと存じますが、よろしければご検討くださいませ^^
今後とも低温調理を存分にお楽しみいただけますように。
こちらの低音調理後の塩の方法で
冷凍保存する場合は
低音調理後、塩を投入し、密閉して冷凍保存。
食べる時は、自然解凍後、焼き目を付ける。
の方法で大丈夫ですか?
ご質問ありがとうございます^^衛生面とおいしさを考慮しまして、以下方法を推奨いたします。
BONIQ後、袋に塩投入
↓
袋ごと氷水に浸けて急冷
↓
冷凍保存(〜1ヶ月目安)
↓
(冷凍状態のまま)BONIQで再加熱
(温度&時間:一次加熱温度ー(マイナス)5℃で25〜30分。ただし、55℃以上。)
※本レシピでは58℃のため-5℃は53℃ですが、衛生上55℃以上必須のため、55℃〜で。
↓
BONIQ後、焼き色をつける
レシピお目に留めていただきありがとうございます。
おいしくできますように!
塩で肉が固くなる仕組みは解明されています
牛肉は筋線維が長く太いため筋繊維が縮むと水を追い出し繊維状になります。モモのような筋力がある部位は特に。
一方で豚や鶏は筋線維が短く細いので、縮んでも全体が繊維状にはならず、小さい隙間ができる程度です(つまり牛より固くなりにくい)
塩を直接降るとダメージをうけますが、直接でなければ問題ないと言えます
傷口に塩(100%)をすり込むとしみて痛いですがが、傷口に生理食塩水(0.9%)をかけてもなんともないのと同じですね
逆に真水もしみます。涙は血液と同じぐらいの塩分濃度なので、海水(3.4%)の方がしみません
だから肉を真水で洗うと駄目なのです。逆にダシを取る時は真水によって味を素材から引き出す必要があり、塩水ではダシは出ません
調理では生理食塩水の代わりに「ブライン液」という塩水、もしくは塩+砂糖水(場合によりダシなど調味料)を使用します。100%の塩は駄目でも5%の食塩水なら肉がダメージを受けません
ただし、漬ける行為は豚なら臭みが抜けていいかもしれませんが、牛は風味が抜けてしまうというデメリットがあります
そこで「タレ漬け」が一つの技法として使われます。塩分濃度5%未満のタレを塗って空気を抜いてジップロック
染み込ませた後に調理すると肉が縮みにくくなります
記事の方法では、滲み出た肉汁に塩を混ぜる事で、塩分濃度10%ぐらいのブライン液になったと思われます、
それが加熱で発生した肉の隙間から中に入ったという事でしょう。タレ漬けはタレの味が入ってしまうので、純粋な肉の味を楽しむには塩だけで作った方がいいので好みですね
またph調整の効果もあります
血液や生肉は中性ですが、死後アミノ酸によって酸性に傾く事で保水力が低下し、ドリップが染み出してきます
そこで市販のソーセージなどの加工食品、成型肉、コンビニ弁当などはリン酸塩を添加し、アルカリ性にしてあります。
肉の硬化と離水は等電点付近のpH5.5からアルカリ側にふることで抑えることができるからです
一方で肉をさらに酸性に傾ける事でも保水力は増加するとされています
そこでタマネギやダイコン=汁が酸性の液体につける事で肉は酸性になります
汁につけて冷蔵庫にいれる形です
巷でタマネギの酵素で肉が柔らかくなると言われていますが、酵素は35度ぐらいの温度でないと活動しないため、冷蔵庫で一晩漬けても酵素は意味を成しません
実際は肉を酸性にする事による保水力増加が影響している可能性があります。
だから漬け置きしても漬けてすぐ焼いても結果は変わらないという検証もありました
なお一般的なタレはタマネギを含んでいたり、そうでなくてもリンゴ酸などph2ぐらいの有機酸によって酸性なので保水力を上げます
詳細な情報をありがとうございます。
なるほど、直接塩を振ると水を追い出し肉が繊維状になるところ、直接塩を振らずに
「低温調理した肉に塩を含ませる」のは自らのドリップを使ってブライン液に浸けていたということになるのですね。
低温調理前にブライン液に漬けると、おっしゃるように風味が抜けます。ブライニングは通常のフライパンやオーブンで行う、加熱中に水分を失う調理法の場合は有効だと思いますが、袋の中で行う低温調理はそもそも水分が抜けにくく、仕上げに焼くとしても表面のみしか焼きませんので、水分をそもそも失わず、水っぽく感じられるという点があります。
低温調理は逆に、調理前に「(脱水シートで)脱水」した方が良い、という実験もあります。
58℃ 脱水は有効?低温調理比較実験 牛もも編
https://boniq.jp/recipe/?post_type=recipe&p=27024
BONIQではブライニングは行わず、実験の結果として柔らかくジューシーに美味しく仕上がる方法を取ってきましたが、いただいた情報を元にさらに検証を進めてまいりたいと思います。
誠にありがとうございます。