「低温調理 加熱時間基準表」算出方法と根拠

〜BONIQはなぜ「安全」と言えるのか〜

一般的な調理法でも低温調理でも、「食材を加熱調理する」というのには「美味しさの追求」と「食中毒菌の殺菌」の両方の意味があります。

「美味しさの追求」だけを求めて十分な加熱をしないと食中毒の危険がありますし、「食中毒菌の殺菌」を過剰に考えて加熱し過ぎすると、肉や魚などはやわらかさやジューシーさを失い、パサパサで硬くなってしまいます。

この点において、低温調理は科学的理論に基づいて「美味しさの追求」と「食中毒菌の殺菌」が両立できる、極めて安全性・再現性の高い優れた調理法なのです。

ポイントさえ守れば、「誰でもお肉や魚はしっとりジューシーに、しかも安全に仕上げられる」のは、低温調理ならではと言えます。

安全で正しい低温調理を行うにはBONIQで定めた「低温調理のルール 〜6つのポイント〜」の通りですが、これらは、

1. 正しい方法で食材を安全レベルまで加熱調理

2. 正しい方法で冷却(保存)

の方法が書かれており、これが低温調理の根幹になります。

この「1. 正しい方法で食材を安全レベルまで加熱調理」と「2. 正しい方法で冷却(保存)」、どちらも守って初めて、安全な低温調理となるのです。

1. 正しい方法で食材を安全レベルまで加熱調理

BONIQ「低温調理 加熱時間基準表」
https://boniq.jp/pdf/ttguide.pdf

食肉・生食用でない魚の場合は「低温調理 加熱時間基準表」のBONIQ設定温度・時間を必ず守る必要があります。

法定速度時速30kmの道を100kmで走ることが危険極まりないのと同じ様に、BONIQ「低温調理 加熱時間基準表」の設定温度・時間を守らず“適当に”あるいは“独断で”やってしまうと、食中毒の危険性を高めてしまいます。

この「低温調理 加熱時間基準表」はBONIQで算出したものですが、次のような根拠に基づいています。

食中毒の要因になる菌やウイルスは下に挙げられるようにさまざまあり、「何℃なら何分で死滅する」というのはそれぞれ異なります。

例えばこの菌は殺菌できたけど、あの菌は残っていた、では食中毒が起きてしまいます。
それを食材ごとにリスクのある食中毒菌やウイルスを全て安全レベルまで死滅させることができるようにしたのがBONIQの「低温調理 加熱時間基準表」です。

代表的な食中毒の原因(1)
・腸管出血性大腸菌(O157やO111)
・サルモネラ
・黄色ブドウ球菌
・カンピロバクター
・リステリア
・E型肝炎ウイルス
・腸炎ビブリオ
・アニサキス
・ノロウイルス

例えば「牛肉」では腸管出血性大腸菌、「鶏肉」ではカンピロバクターが代表的な食中毒菌とされていますが、実はリスクはそれだけではありません。
他にも、サルモネラやリステリアなど、さらに耐熱性の高い食中毒菌の可能性があります。

鶏肉の「低温調理 加熱時間基準表」はカンピロバクターもちろん、さらに耐熱性の高いリステリア菌やサルモネラ菌などを考慮しており、殺菌工学に基づいて算出したものです。この「低温調理 加熱時間基準表」に従っていただければ問題なく加熱殺菌できていると考えます。

厚さ1.5cmの鶏レバーの芯温が63℃に達するのに35分、国際安全基準まで殺菌できる芯温をキープするのに8分15秒、これを切り上げたものを45分としております。

「豚肉・ジビエ」において最も注意したいのが「E型肝炎ウイルス(参照:食品安全委員会)」で、このウイルスについてはまだ未解明の部分が多いため、かなり厳しい安全基準である厚生労働省の定める加熱食肉製品の基準「中心部の温度を 63で30分間加熱する方法、又は、これと同等以上の効力を有する方法」を守るべきですが、この「これと同等以上の方法」について温度ごとに対応する設定時間を算出したものが「豚肉・ジビエ」の「低温調理 加熱時間基準表」です。 

「(生食用でない)魚」では腸炎ビブリオが代表的な食中毒菌が挙げられますが、さらに耐熱性の高いリステリア菌なども考慮しています。(※アニサキスやノロウイルスについても対処法は「低温調理 加熱時間基準表」の通り。)

このように、食材ごとに「低温調理 加熱時間基準表」を守ることによって、安全レベルに達するように加熱調理ができるのです。

2. 正しい方法で冷却(保存)

ところが、せっかく「低温調理 加熱時間基準表」を守って低温調理をしても、まだ食中毒のリスクが残っています。

それが以下の食中毒菌であり、それを避けるために大切なことは低温調理かどうかに関わらず、調理した食品を「長時間常温放置しない」ことです。

食中毒の代表的な要因(2)
・セレウス菌
・ウェルシュ菌
・ボツリヌス菌

これらは「代表的な食中毒の原因(1)」とは違い、増殖して芽胞(細胞構造の一種)が作られると100℃以上で長時間加熱しても殺菌できません。つまり一度芽胞ができると、通常の再加熱では残念ながら死滅させることはできません。

ですので、そもそも増殖させないことが必須になります。

ではどんな時に増殖してさせてしまうのか?
低温調理かどうかに関わらず、「調理後の食品を常温〜生暖かい環境(10℃以上54℃以下)に長時間放置すること」です。

そうならないように、低温調理したあとは「調理後すぐに食べる場合は90分以内に食べる」もしくは「保存する場合は急冷してなるべく早く5℃以下で保存」することが重要です。

低温調理のルール 〜6つのポイント〜

参考:
厚生労働省 食中毒
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html

A Practical Guide to Sous Vide Cooking
http://www.douglasbaldwin.com/

食品安全委員会 肉を低温で安全においしく調理するコツをお教えします!
https://www.fsc.go.jp/foodsafetyinfo_map/shokuhniku_teionchouri.html

食品安全委員会 生食用食肉(牛肉)における腸管出血性大腸菌およびサルモネラ属菌
https://www.fsc.go.jp/sonota/emerg/namaniku_hyoka.pdf

Rates of Thermal Inactivation of Listeria monocytogenes in Beef and Fermented Beaker Sausage, Journal of Food Protection
https://meridian.allenpress.com/jfp/article/54/5/334/166572/Rates-of-Thermal-Inactivation-of-Listeria?searchresult=1

Thermal Inactivation of Salmonella and Listeria Monocytogenes in Ground Chicken Thigh/Leg Meat and Skin, Poultry Science
https://www.researchgate.net/publication/8423600_Thermal_Inactivation_of_Salmonella_and_Listeria_Monocytogenes_in_Ground_Chicken_ThighLeg_Meat_and_Skin

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【注意】
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細はこちらの【低温調理のルール 〜6つのポイント〜】を参照くださいませ。


また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
→ 食肉に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防

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