比較実験

70℃~ 1番甘いのは?かぼちゃ 比較実験

3.5
(2)


BONIQ設定
材料
一食あたりの栄養素
比較実験
比較実験結果
BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス

かぼちゃが一番甘くなる調理方法はどれか?
さつまいもやかぼちゃにはβ-アミラーゼという消化酵素が含まれており、70〜80℃で加熱すると、麦芽糖という甘味成分を生成して甘く美味しくなるという。「80℃ 1番美味しいのは?さつまいも 比較実験」ではBONIQでの低温調理「80℃ 90分の加熱後、さらに95℃ 15分」調理したものが「茹でる」「蒸す」「低温調理95℃ 90分」と比べ一番甘みが増す結果となった。
ではかぼちゃではどうか?

以下の5つの方法で出来上がりの甘さの違いを比較する。

実験1. 鍋で蒸し煮(中火 5分→弱火 12分)
実験2. 炊飯器(保温 45分)
実験3. 電子レンジ(500W 4分)
実験4. BONIQ(95℃ 20分)
実験5. BONIQ(70℃ 1時間30分→95℃ 20分)

「鍋で蒸し煮」は弱火を保つことで極力低温でを目指す。「炊飯器」の一般的な保存温度は60〜75℃であるので、かぼちゃの甘みを引き出すのに適しているのでは。2段階温度の低温調理と95℃のみで行ったものはどれだけ違うのか?

BONIQ設定

実験4. 95℃ 0:20(20分)
実験5. 70℃ 1:30(1時間30分)→95℃ 0:20(20分)

材料


<実験1~5>
・かぼちゃ(西洋かぼちゃを使用)  1玉

<実験1>
・水  かぼちゃが半分浸かる量

<実験2>
・熱湯  かぼちゃが半分浸かる量

<ほか、調理器具など>
・ラップ(実験3で使用)

当レシピの栄養素

栄養素(1人分) 1日の推奨摂取量
低糖質レベル (一食:糖質20g 以下)
カロリー 91 kcal -
糖質 17.1 g -
タンパク質 1.9 g 体重 x 1.2g ~ 1.5 g
脂質 0.3 g -
食物繊維 3.5 g 20 g 以上
カリウム 450 mg 3500 mg 以上
カルシウム 15 mg 650 mg 以上
マグネシウム 25 mg 350 mg 以上
鉄分 0.5 mg 7.5 mg 以上
亜鉛 0.3 mg 10 mg 以上
塩分 0 g -

※上記はかぼちゃ(西洋かぼちゃ)100gあたりの栄養価を計算しています。

《手順》


比較実験

実験1. 鍋で蒸し煮(中火 5分→弱火 12分)
かぼちゃは2cm大にカットする。
鍋にかぼちゃが半分浸る量の水を入れて中火で5分、さらに弱火で12分、フタをして蒸し煮にする。

実験2. 炊飯器(保温 45分)
かぼちゃは4cm大にカットする。
炊飯器にかぼちゃが半分浸る量の熱湯を入れ、45分保温する。

実験3. 電子レンジ(500W 4分)
かぼちゃは4cm大にカットする。
かぼちゃをラップで包み、500W 4分電子レンジにかける。

実験4. BONIQ(95℃ 20分)
実験5. BONIQ(70℃ 1時間30分→95℃ 20分)

かぼちゃは大きめにカットする。
耐熱袋にかぼちゃを入れ、低温調理をする。

調理後温かいままのかぼちゃ、また、冷ましたかぼちゃをそれぞれ実食し、甘さを比較する。

<BONIQセット時>
※肉、魚(生食用を除く)は種類と厚みに応じて加熱設定を変更する。参照:「低温調理 加熱時間基準表
※食材全体がきちんと湯せんに浸かるよう、十分な水量を用意する。
※高温・長時間調理時は蒸発による水位減少を防ぐため、最大水量を用意する。

<BONIQ投入時>
※袋内に気泡が残らないよう湯せんに入れながらしっかり空気を抜き、密封する。(参考:動画「低温調理用バッグの密封方法」記事「ベストなバッグ密封の仕方 比較実験」
※食材全体が湯せんに浸かるようにする。浮いてくる場合は、
BONIQ 低温調理コンテナ:コンテナラック、トレーを使用して完全に沈める。
:耐熱性の瓶や重しを乗せて完全に沈める。
※高温・長時間調理時は、湯せんにカバーをして水位減少を防ぐ。
BONIQ 低温調理コンテナ:コンテナルーフを使用する。
:ラップを使用する。

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比較実験結果


画像上段:左から「実験1. 鍋で蒸し煮(中火 5分→弱火 12分)」、「実験2. 炊飯器(保温 45分)」、「実験3. 電子レンジ(500W 4分)」
画像下段:左から「実験4. BONIQ(95℃ 20分)」、「実験5. BONIQ(70℃ 1時間30分→95℃ 20分)」

実験1. 鍋で蒸し煮(中火 5分→弱火 12分)
全体が均一にしっとりしている。甘さ控えめ、さらっとしている。水を使っているため、やや水っぽさがある。

実験2. 炊飯器(保温 45分)
お湯を使って蒸かしているため、水っぽい。硬い。炊飯器の保温モードは60〜75℃。かぼちゃが硬く、ゴリゴリが残る。

実験3. 電子レンジ(500W 4分)
出来立ては甘さも十分、中心はねっとり、皮付近はほくほくとしていて美味しい。ただ、ものの5分程で皮付近から水分が飛んでしまい、パサパサとしてくる。

実験4. BONIQ(95℃ 20分)

全体が均一にしっとりしており、一番煮崩れがなくきれいな形状。香りが良く、ナッツのような風味がある。甘さは「実験3. 電子レンジ(500W 4分)」の中心部の方が甘いが、全体で考えるとこちらの方が上。時間が経っても状態は変わらない。

実験5. BONIQ(70℃ 1時間30分→95℃ 20分)

ねっとり、ホクホク。一番甘みが強い。冷えるとより強く甘味を感じる。ナッツのような風味がある。

以上をまとめると、
実験1、2の水を使う調理法はどうしても水っぽくなってしまい、十分甘みを引き出せていない。実験1は水ではなくだし(+調味料)と一緒に蒸し煮にすれば、かぼちゃの甘みは控えめだが、だしの香りが引き立つ煮物になるかもしれない。実験2の炊飯器に至っては、保温温度が機種によってまちまちなため、60℃付近の保温温度の場合は低温すぎて調理不可能である。

実験3の電子レンジは出来立ては美味しいが、すぐに水分が飛んで状態が変わってしまうため、調味料などの液体を入れた状態で調理するのなら時短調理としては良いのではないか。

実験4と5のBONIQで低温調理したものは、全体が均一な火通り。特に実験4の95℃ 20分は煮崩れなどが全くなく美しく、煮物や和え物などに向いている。
「実験5. BONIQ(70℃ 1時間30分→95℃ 20分)」で低温調理をしたかぼちゃが一番甘く、調味料などがなくとも十分美味しいので、そのまま食べたり、サラダやデザートとしても最適。デザートの場合は特に、素材の味をより活かし砂糖の使用量も抑えられると思う。

BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス

ダイエット中などで甘いものを我慢したいときにおすすめな食材が、かぼちゃやさつまいもなどの甘いホクホクとした野菜です。
これらの野菜には甘みのもととなる糖も含まれているのですが、でんぷんや食物繊維も多く含まれているのです。これらはスッキリとした排便習慣に欠かせない成分です。ダイエット中は食事量そのものが少なくなり、でんぷんや食物繊維が不足しがちになるため、便秘になりやすいといわれています。

でんぷんは腸内でガスを発生させるため、腸を刺激して便意を起こさせてくれる働きを持つほか、便のカサを増やします。
食物繊維は腸内細菌のエサとなり腸内環境を整えるほか、でんぷんと同じように便のカサを増やしてくれます。

かぼちゃにはβ-カロテンをはじめとしたビタミンが豊富に含まれており、緑黄色野菜の代表的な野菜の一つです。β-カロテンは、ビタミンAに変換され、体内の粘膜や皮膚の健康、視力を保つ働きがあります。「冬至にかぼちゃを食べると風邪を引かない」といわれているのは、この働きによるものです。また、活性酸素から体を守る抗酸化作用や免疫力をアップする働きがあるともいわれています。

かぼちゃを食べるときに皮は食べているでしょうか?β-カロテンや食物繊維はかぼちゃの皮に多く含まれているため、ぜひ捨てずに食べるようにしてください。

<野菜の低温調理 比較実験シリーズ>
80℃ 1番美味しいのは?さつまいも 比較実験
60℃ トマトの低温調理 温度比較実験
85℃ じゃがいもの低温調理 温度比較実験
80℃ とうもろこしの低温調理 温度比較実験
80℃ とうもろこしの格上げ 焼き方比較実験
95℃ ほうれん草のアク抜きは可能?比較実験
85℃〜 ブロッコリーの低温調理 温度比較実験
80℃ とうもろこし麹ペースト 比較実験 Vo.1
60℃ とうもろこし麹ペースト 比較実験 Vo.2
70℃ 1番おいしい枝豆の低温調理 比較実験

<かぼちゃの低温調理レシピ>
85℃ 基本の低温調理 かぼちゃの煮付け
95℃ 豊富なビタミン◎無水!かぼちゃのスープ
88℃ 腸内環境改善◎かぼちゃのデザートサラダ
93℃ 免疫力向上!万能副菜 かぼちゃバター
85℃ とろける かぼちゃの滑らか低温調理プリン
95℃ とろふわ かぼちゃの豆乳スープ
95℃ ハロウィン★しっとりスイートかぼちゃ
65℃ ハロウィン★鶏ももコンフィとかぼちゃ
95℃ ハロウィン★かぼちゃのテリーヌショコラ
77℃ ハロウィン★スペアリブ マッシュかぼちゃ

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【注意】
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細はこちらの【低温調理のルール 〜6つのポイント〜】を参照くださいませ。


また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
→ 食肉に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防

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井澤 綾華

井澤 綾華

北海道の田舎で2児を育てながらフリーランスで働く管理栄養士。食で地域を盛り上げることが大好き。健康的で簡単に作れるレシピの開発や、栄養価計算を行う。BONIQで作る料理は高齢の家族からも好評。
井澤 綾華

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コメント

    • らぺっしゅ
    • 2025.06.17

    実験5 70℃ 1時間30分→95℃ 20分 について質問があります。
    70℃で1時間30分経過後にいったんかぼちゃを取り出して95℃になったら20分ですか?
    それとも1時間30分経過後かぼちゃはいれっぱなしで95℃まで設定温度をあげて20分でしょうか。

    • BONIQ

      比較実験/レシピをお目に留めていただき、また、ご質問ありがとうございます。
      後者の「一次調理完了後、かぼちゃを入れたままBONIQ設定を変更(追加)し、そのまま追加調理」で問題ございません。特段レシピに記載のない限り取り出していただく必要はございませんので、そのまま設定〜調理くださいませ。
      おいしくできますように。
      よろしければぜひご感想などもお待ちしております^^

    • しらたま
    • 2025.06.24

    コメント失礼いたします。
    私は現在大学でかぼちゃに含まれるβ-アミラーゼなどの酵素について研究を行っているのですが、この比較実験や記事を書かれる際に使用した参考文献があれば教えていただきたいです。
    また、実験5についてなぜ2段階で加熱をした方がかぼちゃが甘くなるのか理由を教えていただきたいです。
    お返事お待ちしております。

BONIQ設定

  • 実験4. 95℃ 0:20(20分)
  • 実験5. 70℃ 1:30(1時間30分)→95℃ 0:20(20分)

材料一覧

  • <実験1~5>
  • ・かぼちゃ(西洋かぼちゃを使用)  1玉
  • <実験1>
  • ・水  かぼちゃが半分浸かる量
  • <実験2>
  • ・熱湯  かぼちゃが半分浸かる量
  • <ほか、調理器具など>
  • ・ラップ(実験3で使用)

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